IOWN構想 x メタバース 次世代のテクノロジーの融合が社会に新たな価値を創造する

Getty Images


佐藤:この新しいメタバースという空間とIOWNが日本を再構築することによって、世界が大きく変わっていくという、その入り口に来ている気がします。Z世代は、メタバース空間で本当に何でもつくってしまいます。例えば子どもは人気ゲーム『Minecraft』で空間を無限に広げていきます。子どものときからそういうものに触れていると、大人になってビジネス領域に足を踏み入れたときに大きなアドバンテージとなります。これまで「失われた世代」が中心だったのが、もしかすると「失われない世代」がマーケットの主人公になる時代がくるかもしれません。そんな時代とIOWNが強固に結びついていく。すごく楽しい未来が待っている予感がします。


『Minecraft』をプレイする子供(Photo by Georg Wendt/picture alliance via Getty Images)

池田:日本人の特性として、きっちり成功させないといけないという強迫観念があります。でもメタバースは逆でもいいと思っています。好き放題やって、うまくいったものだけが残ればいいという発想にすると新しい社会につながると思います。通信は、確実にやらなければならない面と、ワクワクするような世界をつくる、そのための多様性を表現するという、両面を支える技術として普及していくと思うのです。


IOWN構想(Innovative Optical and Wireless Network)◎ネットワークから端末まで、すべてにフォトニクス(光)ベースの技術を導入した「オールフォトニクス・ネットワーク(APN)」、実世界とデジタル世界の掛け合わせによる未来予測等を実現する「デジタルツインコンピューティング」、あらゆるものをつなぎ、制御する「コグニティブ・ファウンデーション」の3つの要素でスマート社会の実現を目指す情報通信基盤。NTTはIOWNサービスの第一弾として、来年2023年3月にAPNサービスを開始する。https://www.rd.ntt/iown/0002.html

池田大造(いけだだいぞう)◎マサチューセッツ工科大学(MIT)修士課程修了。博士(工学)。1996年NTTドコモ入社。iモードを実現するパケット移動通信システム、人流ビッグデータであるモバイル空間統計、画像認識AI、メタバース開発に従事。2022年度文部科学大臣表彰科学技術賞「科学技術振興部門」受賞。2022年日本オープンイノベーション大賞総務大臣賞受賞。2022年よりNTT新ビジネス推進室未来サービス推進担当統括部長。

佐藤浩之(さとうひろゆき)◎Ridgelinez Innovation&Business Creation(IBC)プリンシパル。1999年ニューヨーク大学経営大学院スターン校卒業。約25年にわたり、通信業界において放送と通信の融合や、アジアでのJV運営などの新規事業立ち上げにかかわる。NTTドコモの海外子会社CEOを歴任後、日本本社のマネージング・ディレクター、グローバル・パートナーシップ&イノベーション責任者を経て現職。

五十嵐智生(いがらしともお)◎東京大学大学院修士課程修了、博士課程在学中(学際情報学)。1993年、日揮(現日揮グローバル)入社。2000年、野村総合研究所入社。新規事業立ち上げ(ITサービス)、システムコンサルティング、システム開発・運用に従事。ITサービスマネージャー、データセンター副センター長等を経て、現職。21年Ridgelinez入社、Innovation&Business Creation Directorに就任。

宮下賛紀(みやしたさき)◎東京工業大学工学部建築学科卒業後、同大学院。大学院在学中にスウェーデン王立工科大学へ交換留学。2010年、組織設計事務所に入社。意匠設計担当として、各種学校や病院等の設計業務に従事。22年Ridgelinez入社。現在はInnovation&Business Creationに所属し、新規事業開発業務に従事している。一級建築士。

text by Fumihiko Ohashi

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事