危機管理と広報活動の専門家に対する非公式調査では、サセックス公爵夫妻の話題のネットフリックスシリーズで新たに言及された、あるいは繰り返された主張に対する英王室の危機コミュニケーション戦略について意見の一致は見られなかった。
南カリフォルニア大学(USC)アネンバーグ・コミュニケーション・ジャーナリズム学部の非常勤講師で、危機コミュニケーション専門家のデーブ・クワストは電子メールを通し「英王室はサセックス公爵夫妻からの批判の内容にコメントしないことにより、人種問題に関する王室の長年にわたる厄介な歴史を王室が理解していることを英国民や世界の人にさらに明確化する機会を逃した」と述べている。
クワストは「現代の問題に関する王室の発表はいつも慎重なもので、そうあるべきだ。しかし、メーガン妃とヘンリー王子が強調した問題の一部に対し前向きな対応が実際に取られているのであれば、今回はそれを発表するまたとないチャンスだろう」と語った。
一方、ジョン・グッドマンPR(John Goodman PR)のジョン・グッドマンCEOは電子メールで「英王室はドキュメンタリーに対して『ノーコメント』の姿勢を取ったようで、これがおそらく正しい反応だ」と述べた。
グッドマンは「王室からのコメントはどのようなものでも状況を悪化させ、このドキュメンタリーや、ヘンリー王子とメーガン妃の王室に対する批判にさらなる関心を集めてしまうだけだろう。
こうした批判が真実かどうかは分からないが、チャールズ国王とウィリアム皇太子にとっては批判への対応よりも王室や王位を守ることの方が重要だ」と語っている。
タンパ大学のカーズ・ハズレット非常勤教授(コミュニケーション学)は電子メールで「ヘンリー王子とサセックス公爵夫人メーガン妃という煮えたぎる大釜と英王室の衝突は、『誰が、どちらが何を言った』の長期的な応酬になるだろう」と述べた。
ハズレットは「英王室は直接的な衝突を避け、勝者のない闘いになりかねないものを引きずり出さないことで、慎重な道を選んだ。『不当に扱われたと感じていることを申し訳なく思います』という旨の発表は、自らに責任がある可能性を示唆することなく英王室の人間的な側面を示すものだ」と説明している。