経済・社会

2022.12.01 12:00

メーガン妃、極右からの「現実的な脅威」にさらされていた

メーガン妃 / Getty Images

米国人の元女優、メーガン・マークルは英王室に嫁いで以降、実際に極右から命を狙われ、何度も脅迫を受けてきたという。王族の警護を担当するロンドン警視庁テロ対策司令部の元幹部はそう述べ、メーガン妃に送られたようなメッセージを受け取った人は誰でも、「常に命の危険にさらされていると感じるはずだ」と語っている。

ロンドン警視庁の警視監(専門活動部担当)を11月28日に退任したニール・バスーはTV局チャンネル4のインタビューに応じ、極右の標的とされてきたメーガン妃は、“非常に不快な、かつ現実的な”脅威にさらされていたと明かした。

バスーによると、グレーター・ロンドンの大半を管轄するロンドン警視庁のテロ対策司令部にはメーガン妃に対する脅迫について調査を行うチームがあり、実際に訴訟を起こしたケースも複数ある。

同妃が命を狙われることについてバス―は、英国内で極右過激派によるテロが増加していることも、関連があると指摘している。そうしたテロの脅威は現在、バス―が任官して以降、最も急激に高まっているという。

世界で最も「いじめられた」


メーガン妃は2020年、「2019年に世界で最もネット上でのトローリングの対象にされたのは自分だと言われた」と述べ、ヘンリー王子との結婚後にネット上で受けた誹謗中傷について、乗り越えることは「ほぼ不可能」だと感じていたと明らかにしている。

ツイッターでメーガン妃に向けて発信された嫌がらせのメッセ―ジの大半は、比較的少数のユーザーたちによる組織的な攻撃だったとみられている。ツイッター上の不正行為を追跡する米ボット・センティネルが昨年、公表したデータによると、サセックス公爵夫妻に関する悪意あるメッセージの約70%は、わずか83のアカウントから発信されていた。

一方、英国では2019年、ネオナチの10代の少年2人がSNS上で、白人の父と黒人の母の間に生まれたメーガン妃と結婚したヘンリー王子を「人種的な裏切り者」と呼び、王子を暗殺すると脅迫するなどしたことで、テロ関連の罪で実刑判決を言い渡された。

また、今年6月にはロンドンで、ヘンリー王子がメーガン妃と結婚したことや、夫妻に子どもが産まれたことを理由に「反逆罪で王子を死刑にすべきだ」とポッドキャストの番組内で発言したホストの男2人の裁判が開始されている。

警察による警護の「対象外」


英国の裁判所は5月、ヘンリー王子が英内務省に対して起こしていた訴訟の継続を認める判断を示した。内務省は夫妻が自ら費用を負担しても、英国滞在中に王子と家族が警察による警護を受けることはできないと決定。王子はそれに異議を唱えていた。王子の弁護士らは、民間のみによる警備体制では、王子は安心して母国を訪れることができないとしている。

ヘンリー王子とメーガン妃は2020年、公務を行う英王室の主要メンバーから離脱すると発表。息子のアーチーとともにカリフォルニアに移住した。昨年には娘が誕生し、王子の祖母である故エリザベス女王の幼少期のニックネームにちなみ、リリベットと名づけている。

forbes.com 原文

編集=木内涼子

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