予想4 広告運用のインハウス化が本格的に進む
過去5年間ほどはSaaS・D2Cブームに沸き、投資家から得た資金を湯水のごとく使う事業者が多発した。結果として一番儲かったのは、それら事業者ではなく、主な媒体であるSNSプラットフォーマーと、その枠を取り扱うウェブ広告代理店だった。ユニットエコノミクスが成立している状態で顧客獲得できた事業者は、想像以上に少ない。
そして今や、それらのブームは鎮火した。広告費の20%を支払っていた代理店へのフィーは、インハウスで給料として払えば劇的に抑えられる上に、アジャイルな改善もやりやすく効果も上げやすい、ということに皆が気付いてしまったのだ。
そして、気付いた企業から、その機能をインハウス化することを進めている。私は、10年後にはウェブ広告代理店という職種そのものがなくなっていくのではないかと考えている。その始まりが、まさに2023年だろう。
例えば広告費が10億円の企業であれば、代理店に2億円を支払っていることになる。であれば、代理店からエースを1500万円の給料で3人引き抜いても、十分にお釣りが来る。その知見が社内に溜まっていくならなおさらだ。
まだまだ大企業において社内で運用するというケースは少ないが、2023年はこれが一気に加速するはずだ。逆に運用者からしたら、大きな機会を得るチャンスかもしれない。
今回挙げた4つの変化は、不可逆的に加速していく。好むと好まざるとに関わらず、時代の変化は待ってくれないだろう。
コロナウィルス感染症から世界が日常を取り戻し(日本はもう少し掛かるのかもしれないが)、2023年は大きな変化が起きる予兆を感じる。是非、ご自身の活動に照らし合わせた時に何か変化を起こすべきか、参考になれば幸いだ。