ビジネス

2022.12.29

2023年、マーケティングの4大変化とは アジャイルが浸透、インフルエンサーは?

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ソフトウェア企業ではアジャイル開発が浸透しているが、大企業のマーケティングプロセスは、例外なくいまだにウォーターフォール(上流工程から着実に進めていく手法)である。結果として、一般的には商品を企画してから市場に発売されるまでに3〜5年くらいかかることも珍しくない。

そのため、発売後の各施策の変更も容易ではない。実質的には、発売してしまったら後はもう「元のプランで売れることを祈るのみ、施策変更は1年後。」というケースが殆どなのだ。

しかし、アジャイルな手法を取り入れて大企業を脅かす、いわゆるD2Cブランドが出現した中で、大企業もやっと重い腰を上げるタイミングが来たように思う。実際に「アジャイルマーケティングプロセスの実装」を戦略にしている会社も出てきている。

アジャイルマーケティングに取り組むには、消費者データと「生」の声をいかに素早く獲得するかが肝になる。データに関しては、各種CRMサービスの浸透がそれを容易にする俎上をつくった。生の声をベースにしたインサイト取得に関しても、クイックな調査サービスが出現している。

アジャイルマーケティングの実装が競争力の源泉になる時代がすぐそこまで来ているのだ。

予想3 画像映えから動画映えへ


メディアのリッチ化の流れが止まらない。インターネット上における主力メディアのコンテンツは、まずはブログなどの文章、その次にFacebookやInstagramに代表される画像へと移った。現在は、YouTubeを代表とする動画が主流となっている。

ただ、クリエイターの数が増える一方で、消費者の可処分時間は減る一方だ。だからこそ、「タイムパフォーマンス」といった言葉も生まれ、基本的に消費者は動画を2倍速で見るようにさえなった。(私もその1人だ)

この流れに乗るように、Tiktokに代表されるショート動画が広がっている。この流れは止まらない。このショート動画の10秒ほどで、分かりやすく魅力が伝わり、かつ人々が喜んで自分からシェアしたくなるような商品が、市場に沢山流れ込んでくるだろうと予想する。インスタ時代における「タピオカ」や「弁才天のフルーツ大福」のような、ショート動画をハックした商品開発が行われ、勝ち組と負け組が発生する。

つまり、静的な商品魅力から、動的な商品魅力までを用意できるかが重要になる。特に食品や化粧品といった、参入障壁が比較的低く、エモーショナルな購入意思決定が行われる業界は、これが加速するはずだ。
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文=石井賢介

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