同企画は、中小企業や後継者への知見が深いベンチャー型事業承継の代表理事を務める山野千枝とともに、アワードのファイナリスト7名が登壇。ファイナリストたちの企業を深掘りし、強い中小企業であるスモール・ジャイアンツの共通点を見出した。なお、モデレーターは、Forbes JAPAN Web編集長の谷本有香が務めている。
「ぶっちゃけ世界をとれると思っている」
同企画は、7名のファイナリストに対して、「○×」クイズの形式で質問をぶつける形で進行。最初の問いとなった「ぶっちゃけ世界をとれると思っている」という質問に対しては、7人全員が「○」と回答した。
若手後継者に新市場開拓などの支援を行っている、アワードのアドバイザリーボードメンバーである山野は、「○を上げないわけにいかない」と質問に苦笑い。「ぶっちゃけ世界をとれる?」と話を振られた、“防虫商社”である環境機器(大阪府)の片山淳一郎は、「精密に虫を分析する対策では、日本が最先端を走っている」と語る。「私たちが開発した、殺虫剤をなるべく使わず、根本原因を分析するAIを活用したリモート装置は海外でも十分以上に通用する」と自信を示した。
山野千枝
草刈り機を53カ国に輸出する筑水キャニコム(福岡県)の包行良光も、「草刈りでは、刈るだけでなく、草を残すこともある。残す草に特化した草刈り機を突き詰めていけば、必ず世界はとれると思っている」とコメント。「経済がどんなことになっても草は伸びるので、勝って(刈って)いきたい」と続け、笑いを誘った。
一方、オーダーメイドトマトでスマート農業の旗手となった浅井農園(三重県)の浅井雄一郎は、「トップを取るというよりは、海外の企業が一緒に連携して新しい市場を作っていくことでも貢献できるはず。特に農業では農学だけでなく、異分野との融合が肝になってくる」と語る。
山野も、「既存市場でパイを食い合う時代は終わり、業界や業種、業態の境界線はなくなっている。『市場をつくる』というのがキーワード」と同調。その上で、世界をとる企業の3つの共通点を列挙した。
「1つは絶対に生き残るという、存続へのコミット感。次に、組織づくりに手を抜いていないこと。3つ目は時間軸で、歴史と未来の間を俯瞰して今の時代の戦略を立てている」