家庭でも今夜から育つルール形成力 小学生も「クリティカルシンキング」で

話し合いに参加する東小学校の生徒

家庭でのルールを対話によって見直す


ルールメイキングをサポートしているカタリバの代表理事、今村久美さんは、これからの時代に求められる「ルールメイカー」について次のように考えている。

「今の時代は、利己的なルールを主張し合う人たちや、言語能力があって『べき論』をふりかざす人たちがルールメイカーになりがちですが、自分の視座だけでルールメイキングしてしまうのは問題です。いろんな立場の人がいて、そこで対話が始まることが大切です。立場が違うと対話はできないということが争いに発展してしまう可能性もあります。
 
ルールメイキングはとても身近なことから取り組めます。この本をどこに置くとみんなの手に一番届くか。みんなが居心地のいい空間ってどんな空間か。そのようなことから積み重ねていくことが大事だと考えています」

いろんな人の声を聞きながら、みんなの願いの重なる部分を見つけていく。共通の願いを見つけることで、お互いの願いが叶うルールを作ることができる。これは、大人の社会でも全く同じことだ。果たして私たち大人はこの社会で、会社で、地域で、このような対話ができているのだろうか——。

自治体や学校などの大きな単位ではなくても、家庭でのルールをもう一度見直すことから始めてもいい。ゲームやスマホなどの利用について、親が一方的に決めているとしたら、改めて子どもの意見に耳を傾け、対話し、共通の願いが重なる部分を探す時間を持ってみることも必要だろう。

文=太田美由紀

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