グーグルクラウドが進める、ヘルスケア変革に向けた取り組み

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グーグルクラウドは、ヘルスケアの変革を進めることに本格的に取り組んでいる。

世界最大級のヘルスケア・イノベーション会議である「HLTH」において、グーグルクラウドは、新たなステップを発表した。3つの新たなヘルスケアデータエンジン(HDE)アクセラレーターを創設し、ヘルスケアの提供にまつわる問題の解決をめざすというものだ。

これらのアクセラレーターの全体目標は、グーグルクラウドという強力なプラットフォームを武器にして、ヘルスケアデータのアクセシビリティ、利便性、相互運用性を高めることだ。

ヘルスケア業界にデータは豊富に存在するが、こうしたデータを実践的に利用可能にするようなソリューションは数少ない。それどころか、データはしばしばレガシーシステムに縦割りで保存されて相互にやりとりができず、各医療機関に固有のソフトウェアやシステムのなかに埋もれているのが現状だ。

したがって、グーグルクラウドのHDEは、「ヘルスケアと生命科学のリーダーたちが、分断化されたヘルスケアデータから意思決定をおこなうことを可能にする」ことを目指している。

3つのアクセラレーターそれぞれが担当する分野は、健康の平等性の向上、運用の効率化、ヘルスケアの価値向上だ。

近年の研究から、健康の社会的決定要因(social determinants of health:SDOH)は、コミュニティにおけるヘルスケアの状態に重大な影響を与えることが明らかになっている。

そのため、卓越した医療機関やヘルスケア企業は、現代のケアサービスにSDOHの側面を統合しようとしている。グーグルクラウドによるアクセラレーターを通じたアプローチは、さまざまな恩恵をもたらすことを目標にしている。具体的には、「医療機関に対して、患者をコミュニティ・リソースと結びつけるようなツールを提供し、分析によって業務をサポートし、SDOHに関するデータセットを各機関が活用できるようなダッシュボードを構築する」といった恩恵だ。

例えば、運用の効率化に関しては、アクセラレーターを通じて、患者の流れや対応能力に関してより良いインサイトが得られるようになる。最終的には、医療機関が時間、リソース、スタッフ、患者への対応の効率化に関して最適化できるような主要指標がもたらされると期待される。
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翻訳=的場知之/ガリレオ

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