経済・社会

2022.11.24 08:40

日本の学生もCOP27で、気候変動アクションを起こした切実な理由


次世代のリーダーがCOP27でアクションを起こす


気候変動に対し、これまで以上に世界中で若者たちが声をあげる中、エジプトで開催されている国連気候変動枠組条約の締約国会議(COP27)では、史上初の「若者のための議席」が正式に用意されました。また、「子どもと若者のパビリオン」も設置され、子どもたちによるディスカッションや政策報告の場が作られました。



COP27に日本の高校生や大学生たちも参加しています。フライデー・フォー・フーチャーの活動を続けてきた大学生、中村涼夏さんと山本大貴さんは、「訴えるだけではなく、いろいろな立場の人の話を聞いて、発信したいと思うようになった」と、COP27の場で新たなアクションを起こしています。

街頭や国会で声をあげ続けてきた2人は、その活動を報じられる側の立場に置かれていました。若者であるというだけで、気候変動を解決する役割を期待されていることに重圧を感じていたと気持ちを打ち明けます。

record 1.5」と名付けられた2人の新たなプロジェクトでは、COP27に世界中から集まる若者や環境活動家、地元の人たちの声や行動を映像で記録したドキュメンタリーが制作される予定です。記録を通じて、気候変動の被害者が持つ本当の意味での危機感を共有し、本質的な解決に向けた対話の土台を作りたいと、意欲を燃やしています。

全ての意思決定プロセスに子どもと若者を


地球が気候変動による危機的状況に直面している今、若者たちがこうして声をあげ、気候変動に対する大人たちの対応に異議を申し立て、行動を起こしていることを、大人たちは真剣に受け止める必要があるでしょう。

日本は、温室効果ガス排出量を2030年までに2013年比で46%削減するという目標に掲げて、カーボンニュートラル実現への道を歩んでいます。環境省や経済産業省によると、797の自治体と、200社以上の企業が2050年までのネットゼロを宣言し、官民が連携した取り組み進めています。これらの取り組みに、未来の当事者である子どもと若者の声が取り入れられることで、変革は加速するでしょう。

子どもと若者こそ強力な変化の担い手であることを認識し、気候変動にかかわる全ての意思決定プロセスに、彼らが参加することのできる仕組みが早急に整えられることが期待されます。

(この記事は、世界経済フォーラムのAgendaから転載したものです)

連載:世界が直面する課題の解決方法
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文=Naoko Kutty, Digital Editor, World Economic Forum

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