日本の学生もCOP27で、気候変動アクションを起こした切実な理由

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気候変動へのより具体的な対策を求める若者の活動が、大きなうねりとなっています。COP27にも日本の高校生や大学生が参加し、気候危機の解決へ向けたアクションを起こしています。

気候変動にかかわる全ての意思決定プロセスに、子どもと若者が参加することのできる仕組み作りが急がれます。世界経済フォーラム(WEF)のアジェンダから、次世代リーダーたちの活動を紹介します。


気候変動が差し迫った課題であるとの認識が世界中で広まる中、特に、未来を生きる若者世代の間でサステナビリティへの関心が高まっています。日本国内の15~69歳の6800人を対象に実施した、サステナビリティに対する意識調査によると、どの世代も共通してサステナブルな製品に対して追加料金を支払っても良いと考えていることが分かりました。しかし、注目すべきはその価格の許容度です。サステナブルな製品に「2倍の追加料金を支払っても良い」と回答したのはZ世代が20%と際立って多く、他の世代と比較すると2.5~10倍になりました。


最下段の「=100%」が「2倍の追加料金を支払っても良い」を意味する。 Image: ファブリック「日本におけるサステナビリティの現状2022」

気候変動対策を導く、若者たちの活動


政府や企業に対し、気候変動へのより具体的な対策を求める若者の活動も、大きなうねりとなっています。若者たちが気候危機について話す場を提供する「日本版気候若者会議」は、これまで政府や主要政党、経団連などと意見交換を重ね、政策提言という形で若い世代の声を可視化してきました。気候変動の影響を最も受けるのは若い世代であるのに対し、政策の意思決定者は上の世代であることに「大きな意識の差が生じている」と、日本版気候若者会議の運営メンバーは訴えています。

また、世界の若者たちが地球温暖化対策の強化を訴える「世界気候アクション」は、9月に国連総会の開催に合わせ、日本全国各地で企画され、約400人の若者が街頭デモに参加しました。新型コロナウイルス感染拡大の影響から3年ぶりとなるこのデモで、若者たちは「気候変動を止めるのは今しかない」「未来を変えるのは私たち」と、気候危機への切迫した思いを訴えました。環境活動家のグレタ・トゥーンベリさんのスクールストライキをきっかけに始まったフライデー・フォー・フーチャーの日本での運動に加わる大学生は、石炭火力発電を維持する姿勢を保つ日本政府に対し「もっと具体的に動いてほしい」と話しました。
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文=Naoko Kutty, Digital Editor, World Economic Forum

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