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2022.11.20

通常の30倍も空気をきれいにする観葉植物が誕生 仏Neoplantsの挑戦

Neoplants cofounders Patrick Torbey (left) and Lionel Mora. COURTESY OF NEOPLANTS


最近、Covidのエアフィルターに注目が集まっているが、Neoplantsがターゲットにしている揮発性有機化合物(VOCs)、つまりホルムアルデヒド、ベンゼン、トルエン、キシレンは、室内では昔から大きな問題だった。製造された木材や一般的な家庭用品の多くに使用されているホルムアルデヒドは、低濃度でも目のかゆみ、咳、頭痛、皮膚刺激などを引き起こす可能性がある。

米国環境保護庁は、私たちが多くの時間を過ごす屋内のVOCのレベルは、一般的に屋外の2倍から5倍であると明らかにしている。Neoplantsはウイルスをターゲットにしていない。トーベイーは「ウイルス用には、植物よりも機械的なフィルターの方が常に優れています」と言う。

「観葉植物に与えられる最も強力な機能は、空気をきれいにすることです」


モラはオーストリアで生まれ、両親が学校の教師をした南仏で育った。子供の頃から起業家気質があった。10代のころは、美容院で名刺を売っていた。フランスのリヨンにあるエムリヨン・ビジネススクールで学んだ後、Googleでプロダクトマーケティングマネージャーとして4年以上勤めた。より大きな社会的インパクトを与える仕事がしたくて、うずうずしてきたという。「典型的なミレニアル症候群ですが、私はそれでいいと思っています」と彼は言う。

トーベイーは、レバノンのベイルート郊外で、父親は小児科医、母親は学校の教師という環境で育った。パリのエコール・ノルマル・スーペリウールでゲノム編集の博士号を取得した。「博士の研究をしていた時は、ドラゴンの作り方について講義をしました。この遺伝子の道具を使って、どうやって魔法のようなものを作るのかとね」。



経歴は違っても、パリの「Station F」スタートアップインキュベーターで出会った2人は意気投合した。すぐにトーベイーは、機能を持った生物を作るというアイデアを持ちかけた。「私たちの周りには美しい観葉植物が沢山あります。私たちは、これはとてもシンプルで象徴的な生物だと思いました」と、80%の家庭がすでに植物を置いていることを指摘しながらモラは言う。「私たちがそれに与えることができる最も強力な機能は、空気をきれいにすることです」。

2018年、彼らはNeoplantsをローンチした。彼らは非常に丈夫で様々な環境で活躍するベーシックな観葉植物で通称デビルズアイビーと呼ばれるポトスという植物でを選んだ。それは、葉が大きく蝋のような質感で、成長速度が速いので、汚染物質をたくさん吸収することができる。

これらは、商品化する上で大きなメリットとなる。しかし、デメリットもあった。ポトスに関する目立った研究がなかったのだ。ポトスを食べると毒があり、ペットを飼っている人には不向きなのだ。「私たちは、誰も研究したことのない植物を研究しているのです」とモラは言う。「これが最大の難関でした。暗闇の中からスタートするのですから」。
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翻訳=上西雄太

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