リオネル・モラとパトリック・トーベイは、パリのラボで、ホルムアルデヒドなどの揮発性有機化合物が人体に害を及ぼす室内空気中の汚染物質を除去できる観葉植物を設計してきた。4年の歳月を経て、彼らの会社Neoplantsは、一般的な観葉植物の30倍の汚染物質を除去することができるという「Neo P1」という初のバイオエンジニアリングによる観葉植物とともに現れた。将来的には、さらに多くの汚染物質を除去できるように設計されるだろう。
「私たちは、この植物を目的を持った植物と呼んでいます」と、同社CEOのモラは、ニューヨークで行われたForbesのインタビューで語った。「私は、持続可能な未来を築くこと以上に重要なことはないと思っています」。
過去10年の間に、生物学を利用し、より優れた、より持続可能な製品を設計することを目的とした合成生物学企業が数多く誕生している。これは、バイデン政権の最近のバイオマニュファクチャリング・イニシアチブが加速させたいと期待している傾向だ。一方、Covid-19の大流行により、室内の空気の質は消費者や企業にとってより重要なものとなっている。Forbesが以前紹介したR-Zero(アール・ゼロ)のような企業は、殺菌灯を使って室内の空気を清浄化し、その技術を学校やオフィスへ販売し、成果をあげている。
2018年の創業以来、Neoplantsは、True Ventures(トゥルー・ベンチャーズ)やCollaborative Fund(コラボレーティブ・ファンド)といった企業や、起業家のダン・ウィドメイヤー(Bolt Threads、ボルト・スレッズ)、エミリー・レプルースト(Twist Bioscience、ツイスト・バイオサイエンス)、ニクラス・ゼンストローム(Skype、スカイプ)、アルノー・プラス(Prose、プロス)から2000万ドル(約27億円8700万円)のベンチャー資金を調達してきた。同社は現在、2023年初めに受注を開始し、来年後半に購入者に植物を出荷する予定だ。最初の市場として米国をターゲットとし、不動産デベロッパーやホテルオーナーなどの企業向けに販売する計画だ。
「この企業は先見性があり、わかりやすいです」と、パンデミック前にロンドンで開かれた会議でモラとトーベイーに初めて会ったウィドマイヤーは言う。「植物というのは面白いもので、一度成功すれば、あとは品種改良するだけです。この辺りの苗床はいつもそうしています。合成生物学による新しい技術を必要とする世界では、これは信じられないほどエレガントで強力なことだと思います」。