ビジネス

2022.11.14

FTX破綻で社員らも悲鳴、「1300億円相当」の株式報酬が紙クズに

FTX創業者のサム・バンクマンフリード(Getty Images)


ザッカーバーグの資産運用会社も


そして、その3カ月後の2021年10月にFTXは評価額250億ドルで4億2100万ドルを調達した。このラウンドには、セコイアやタイガー・グローバル、ラリー・フィンクが運営するブラックロックなど69の投資家が参加した。マーク・ザッカーバーグの資産運用会社として知られるアイコニック・キャピタルや、バリー・シルバートの暗号通貨取引企業のDigital Currency Group、サムスンのSamsung NEXT Venturesも参加した。

一方、FTXの米国子会社のFTX U.S.は、2022年1月の調達ラウンドで評価額80億ドルで4億ドルを調達した。同時に、FTXは10人以上の投資家からさらに4億ドルを調達し、評価額は320億ドルに膨らんだ。

孫のソフトバンクはこの2社のラウンドに参加し、タイガー・グローバルもブロックチェーン技術のユニコーン企業アルケミーの投資部門の「アルケミー・ベンチャーズ」とともにFTXへの投資を増やした。

これらのビリオネアは莫大な資金を失ったことになる。しかし、最大の被害者はFTXの社員たちなのかもしれない。

フォーブスが以前の取材でバンクマンフリードから入手した資料によると、FTXは株式の3%をストックオプションとしてプールしており、その価値は1月の調達ラウンドの後に9億5000万ドル(約1320億円)に達していた。しかし、FTXが破綻した今、社員らが受け取るはずだった株式の価値はゼロになる見通しだ。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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