ジムに行かなくても筋トレはできる
筋トレは、芝生が生えた近所の公園でもできるし、自宅でも取り組むことが可能だ。別の文献レビューによれば、筋トレは実にさまざまな環境で取り組むことができる。
大腿四頭筋を鍛えるレッグエクステンションや、上腕二頭筋を鍛えるバイセップカールといった単関節運動の場合は、健康にさほど違いが現れないことがわかっている一方で、スクワットや腕立て伏せといった多関節運動は筋力アップにつながるとされている。また、サイクリングマシンや、ゴムバンドを使用した運動、あるいは、瞬発力を鍛えるプライオメトリクス・トレーニングも効果的だ。
万人向けのトレーニングはないので、自分の体に耳を傾けよう
有酸素運動と違って、筋トレは、心拍数があまり高くならない。ということで、新型コロナウイルス感染症にかかったあとにトレーニングを開始・再開するときや、マスクを着用したまま運動しなければならないときには好都合だ。正しく行いさえすれば、筋トレは誰にとっても安全だし、適している。
新型コロナウイルス感染症の回復期にある人は、短いインターバルで筋トレに取り組むと、体力の大幅アップにつながる。筋トレは、1RM(Repetition Maximum:最大挙上重量=1回しか反復できない重さ)に対する割合では30%から80%、有酸素運動は修正ボルグスケール(主観的運動強度)では3から5という強度で取り組むと、新型コロナウイルス感染症の回復期にある人に効果的であることを示した研究が増えている。
具体的には、低ボリュームの筋トレ(例:1RM30%~80%を1セット8回~10回で1、2セット)と、有酸素運動(例:中強度で5分~30分)を組み合わせたプログラムに取り組むと、コロナ感染後の回復が促される可能性がある。筋トレと有酸素運動を組み合わせると、筋力がアップし、体を動かすときに生じる息切れや疲労感が軽減し、生活の質が向上したことを実感できる。
ただし、人それぞれであり、エクササイズとなれば特に個人差がある。自分の体が求めていることに耳を傾け、続けられるペースで取り組むことがいちばんだ。
高強度の有酸素運動や筋トレ、長時間の運動は、避けたほうがいいだろう。そうしないと、免疫抑制作用が誘発されたり、新型コロナウイルスに再感染しやすくなったりする可能性がある。新型コロナウイルス感染症の回復期にどのような手順を踏むべきか、かかりつけ医にぜひ相談してほしい。
(forbes.com 原文)