2022年版リストの担当編集者であるラナ・ウェフベ・ワトソンは「ポストコロナ時代へ移行するなか、それぞれの企業で先頭に立って対応を進めている経営者や起業家20人を取り上げた。男性優位の業界で活躍している女性や大手の同族企業を率いる女性も含まれ、2人は出産や子育てをきっかけに立ち上げた企業で成功を収めている」と説明した。
今年3月、時価総額で韓国最大のネット企業であるネイバーの最高経営責任者(CEO)に就任したチェ・スヨン(崔秀姸)も選ばれた。10月には就任後最初の大きな決断として、米カリフォルニア州に本社を置く衣料品フリマアプリ「ポッシュマーク」の買収を発表した。投じる金額は約12億ドル(約1700億円)で、完了すればネイバーにとって過去最大の買収となる。
ミレニアル世代の経営者であるチェは、ネイバーについて野心的な計画を描いており、4月には5年以内に売上高を2倍強の15兆ウォン(約1兆6000億円)に引き上げる目標を掲げた。マンガプラットフォーム「WEBTOON」向けにコンテンツ関連の買収を引き続き行っていくほか、メタバースアプリ「ZEPETO」を世界規模で成長させるべく関連事業への投資も進めていく考えだ。
スマートフォン向けゲームを開発するcolyを共同で創業した双子の中島瑞木、杏奈姉妹は、今年のリストで最年少の33歳。女性に訴求するゲームという、日本のゲーム市場の大きな空白を埋めようと2014年に立ち上げたcolyは、昨年、東京証券取引所マザーズへの上場を果たした。colyのヒット作にはノベルゲームの「ドラッグ王子とマトリ姫」、「スタンドマイヒーローズ」などがある。
天野安喜子は、およそ360年にわたって花火の製造や打ち上げの技術を受け継いできた宗家花火鍵屋の初の女性当主であるだけでなく、日本の花火メーカーの初の女性トップでもある。天野は29歳だった2000年に、父の跡を継いで15代目を襲名した。2009年には花火が感情に与える影響の研究で博士号も取得している。
国際柔道連盟の審判員という顔ももつ天野は、2008年の北京五輪で日本人女性として初めて五輪審判員に選ばれ、昨年の東京五輪でも審判員を務めた。
「アジアで影響力のあるビジネスウーマン」20人の全リストはフォーブス英語版サイトで公開されている。
(forbes.com 原文)