銀河一の裸眼天体観測者になる方法

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星空観察は、ただ外を歩いて空を見上げればいいというものではない。

新型コロナウイルス感染症によるロックダウン期間中に数え切れない人が試してわかったように、夜空の鑑賞には時間がかかり、忍耐が必要で、何よりも運が必要だ。

だが朗報だ。夜空を最大限に楽しむための簡単なコツや技法を、ナショナルジオグラフィックの「夜空の男」アンドリュー・ファゼカスが、その豪華な新刊『Stargazer’s Atlas: The Ultimate Guide to the Night Sky(星空観察案内:夜空の究極ガイド)』で明らかにしている。

太陽と月、夜空の眺め方、星図の利用による空の奥にある宝物の探し方、宇宙観光、さらには古天文学の紹介まで、ファゼカスの豊富なイラストによる案内が、天文学の基礎から応用までを無理なく紹介している。

望遠鏡を買わない理由


星空観察は一生続く発見と楽しみなので、焦りは禁物だ。ファゼカスは「多くの初心者の方は、実際に自分の裸眼を使って基礎を少し学ぶ前に、望遠鏡を持ち出してしまうのです」という。「何千とはいいませんが、何百もの光の点で埋め尽くされた夜空は、気が遠くさせるようなもので、すぐに失望と挫折を味わうことになります」

望遠鏡の視野は非常に狭いので、星座の中の見える星の間に散らばる最も明るい遠距離天体さえ追いかけるのは大変なことだ。まずは夜空について学ぼう!

肉眼と双眼鏡を使う


ファゼカスは「人間の目は、夜空を広く見渡せるように設計された完璧な広角レンズです。信頼できる星図があれば、明るい星座の見分け方を学ぶことができます」という。「そして双眼鏡を使って星から星へ飛び移りながら、星団や銀河などのターゲットを見つけるのです」

確かに、コンピュータ化された 「GoTo」 望遠鏡(星図上の場所を指定するとそこに向いてくれる望遠鏡)やスマートフォンアプリはすばらしいが、それらに頼っていては、天体観測の真の喜びである「自分で夜空を探索する」方法を学ぶことはできない。ファゼカスは「自分でどうすればいいかわからないのに、自動運転機能を使って車を駐車したり、目的地まで運転したりするようなものです」という。
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翻訳=酒匂寛

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