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2022.11.07 08:30

日本の富裕層人口は2位 「寄付文化」でイノベーションは生まれる

「ビル&メリンダ・ゲイツ財団」日本常駐代表の柏倉美保子氏(撮影=曽川拓哉)

「ビル&メリンダ・ゲイツ財団」日本常駐代表の柏倉美保子氏(撮影=曽川拓哉)

日本の未来を牽引する大学発起業家に光を当てる「ACADEMIA ENTREPRENEUR SUMMIT」を、Forbes JAPANとGTIE(大学発スタートアップ育成のプラットフォーム)が10月21日に開催した。

パネルセッションでは、世界最大の慈善団体の一つである「ビル&メリンダ・ゲイツ財団」の日本常駐代表である柏倉美保子氏と、Forbes JAPAN Web編集長の谷本有香が、「グローバルマーケットから見る日本発スタートアップの可能性」をテーマに語り合った。


谷本有香(以下、谷本):現在、日本のビル&メリンダ・ゲイツ財団の体制はどのようになっていますか。

柏倉美保子(以下、柏倉):今は私1人ですが、今後4人ほど加わる予定です。現在は国際機関と連携しながら日本企業を支援するほか、ファンド投資などさまざまな形での活動を行っています。

日本の民間企業はコロナ禍を経て、ヘルス分野や感染症対策を企業活動に取り込んでいくことが重要という認識を強く持つようになりました。

今夏にビル・ゲイツが来日した際に関心を寄せた企業もあります。例えば、アフリカでの医療品の輸送にドローンを活用しているSORA Technologyという日本のスタートアップ企業は、その一つです。ほかにも、ドローンやAIを駆使して、マラリアやデング熱をはじめとする多くの病気を媒介する蚊の生息地を特定する技術も持つスタートアップにも大きな関心を寄せていました。

個人的にも、日本のスタートアップが社会課題に一層挑戦していける流れが加速することは歓迎すべきことだと考えています。

谷本:そういった優良スタートアップを見つけ出すために行っていることはありますか。

柏倉:私たちとしても探し続けている毎日ですが、財団に直接コンタクトを取ってくる企業もあります。ただ、正直に申し上げれば、スタートアップとの接点はまだまだ少なく、本イベントを機に、ヘルスケアや社会課題の解決のための事業を行っている企業とつながれればと考えています。

また、現在の日本と海外を比較して感じることとして、アメリカをはじめ海外では、例えば西アフリカのエボラ出血熱の現場に駆けつけたり、マラリアの専門家になるといった、グローバルな課題に関わったことがエリートとされますが、日本はまだ内向きの傾向があります。

今後は日本でも、地球規模の課題にビジネスリーダーや医師として関わることを、素晴らしいと思う流れが到来してほしいです。
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文=小谷紘友 編集=露原直人 撮影=曽川拓哉

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