ビジネス

2022.11.08 16:15

GAFA低成長下、暗号資産がリスクマネーの「受け皿」になり得る理由


いまのマーケット参加者のほとんどは金融緩和のマーケットしか知らない


──今後、トレードや資産運用をしていくうえで、まだあまり顕在化していないリスクは何だと思いますか。

平野:これは断言してもいいと思うんですけど、これまで10年間ぐらい、ほとんどずっと世界的に金融緩和が続いてきて、ジャブジャブとお金があふれている時代が続いてきた。このため、多くの市場参加者は、金融緩和の状態に慣れきってしまっている。これが大きなリスクだと思います。


私は20歳の頃に投資を始めて約10年です。私も金融緩和の中で投資をやって来て、それしか知らない。暗号資産市場は若い人が多いので、大半は、そんな人ではないでしょうか。

最近は世界情勢も大きく変わっていて、ウクライナでの戦争もいつまで続くかわからないし、戦争後にルールが元通りになるとも限らない。


また、これまで中国は多くの労働者を抱えていて、その安い労働力を生かして輸出を増やしてきたけれど、賃金コストの優位性も失われつつある。

中国でいえば、台湾有事が避けられないとなれば、中国は原油の備蓄量を増やしていくはずで、それは原油価格にも影響してくる。

どう考えても、これからの10年と、これまでの10年は違うんです。

そこを認識している人がマーケットに少ないような気がするし、気づいても考え方を変えるのは難しいと思う。なぜなら、いまマーケットにいる人のほとんどは金融緩和の世の中しか知らないからです。

だから、これからの市場のリスクは、金融緩和が終わり、いろいろなルールも変わっていくことと、その変化に市場の参加者が対応できないことだと思います。

そのリスクに対応するためにも、正確な情報を知り、勉強して、自分で考えて判断していくことが何よりも重要になっていくはずです。


平野淳也◎起業家・経営者。HashHub代表取締役CEO。学生時代に衣料品・物販事業を創業して譲渡。2013年頃から暗号資産領域へ活動を広げる。個人での投資活動や国内外企業へのコンサルティングを行う。2017年には合同会社d10n Labを創業して暗号資産領域のレポートサービスとしてユーザー数が国内有数の規模に成長する。2018年にHashHubに創業メンバーとして参画して2019年にCEOに就任。
Twitterアカウント:https://twitter.com/junbhirano

城戸大輔◎HashHub Research マネージャー。有料暗号資産メディアへの2年半リサーチをはじめ、数々のメディアへリサーチを寄稿。預入額Top10に入るDeFiプロジェクトの日本コミュニティマネージャーとしてグラントを獲得。2021年から国内最大手の有料メディアの1つであるHashHubリサーチで責任者を勤める。
Twitterアカウント:https://twitter.com/otukarehitoiki1

編集=石井節子

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