経済・社会

2022.10.21 13:00

石油・ガスの探査が今年は減少 環境対策や企業の関心不足が原因

Getty Images

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米バイデン政権は、気候変動対策の取り組みを冷ややかに迎える石油業界や、ロシア産原油に価格上限を設ける提案に抵抗する石油輸出国機構(OPEC)により難しい立場に立たされている。

2022年の新たな石油・ガスのプロジェクトの立ち上げは、米国だけではなく世界中で全く振るわない状況にある。このことから、これまで当然のように考えていたロシア産原油の供給を減らす計画もさらに複雑化している。

OPECが先日、原油の生産量を大幅に減らすことを発表すると、WTI原油(米国の西テキサス地方で産出される原油)の1バレル当たりの価格は再び上昇し、今月7日には8月以降最高値である92.64ドル(約1万4000円)に達した。

石油やガスの探索はバイデン政権の気候変動政策に反するが、それだけでなく石油・ガス業界からの関心不足も新たなプロジェクトの障壁となっている。

ノルウェーの石油・ガス関連データ提供企業ライスタッド(Rystad)は、この2つの要素が世界的に影響を与えていると考えている。こうしたプロジェクトに乗り気ではない各国政府が、景気後退を恐れるリスク回避状態の企業と衝突しているのだ。企業はまだ、原油価格が未曾有の低値を記録したコロナ禍の余韻をいまだに引きずっている。

ライスタッドは、今年世界で行われる石油・ガスのリース権の入札はわずか44件になると見込んでいる。これは2000年以降で最低記録だ。同社のデータからはさらに、米国で今年8月末時点で新たに掘削の認可を受けたのはわずか2ブロックであることが示されている。

新たな認可が多く与えられているのはブラジル、ノルウェー、インドだ。現米政権下で始まった新たな石油・ガスのリース権の販売はないが、ドナルド・トランプ前大統領の下で決まった入札のいくつかは、バイデン政権の下で前進するか拡大している。

あるリース権の販売は、2020年末のトランプ政権の終盤で完了し、アラスカ州の野生生物保護区という誰もがほしがる場所にあるにもかかわらず、入札者が集まらずリースもキャンセルされた。アラスカ州では5月にも、あまり関心が寄せられなかったことにより内務省が海洋掘削の入札をキャンセルしている。

バイデン政権はこれまで、企業が政府に支払う印税率を12.5%から18.75%に引き上げるとともに、環境や一般市民への影響を理由とし、売りに出されている土地を大きく減らしていた。

米CNNテレビによると、キャンセルされたオークション区画は再度販売されることが法的に必要となる。新たな費用に関わる裁判所の遅延を巡り販売がキャンセルされた、メキシコ湾の2つの海洋掘削場所も同様だ。
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翻訳・編集=出田静

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