経済・社会

2022.10.16 15:00

一気に消費活動が噴出、第二次大戦後と似てきたコロナ後の米国の経済動向

Getty Images

新型コロナウイルスの感染者数への関心も薄れ、街を行き交う人たちもマスクをしているのはおそらく1割を切り、いまだに着用して歩いている自分のほうが浮いて見えるようになってきた。

ニューヨーク市の公共交通機関はマスク着用の義務を撤廃し、互いの口元が見える日常の光景が戻ってきた。CDC(アメリカ疾病予防センター)もいずれ新型コロナウイルスもインフルエンザと同じ年1回接種で済ませられるようにする方針を打ち出した。

私も10月に入ってすぐ、オミクロン変異株対応の追加ワクチンとインフルエンザのワクチンを同時に接種したが、特に副反応もなく終わった。

コロナ禍の最中、レストランでの屋内飲食を避けるために、街頭に設置された飲食空間も、使用されていないものからニューヨーク市当局が撤去命令を出し始めた。

レストランに様子を聞いてみると、設置した屋外の飲食空間も、衛生面の対策が埃なども含めて十分に行き届かないうえに、ネズミの繁殖を招いたりしているので、自主的に撤去するところも出てきたという。飲食店のランチ時の客も、旅行客も含めてずいぶん増えてきたようだ。

オフィスワーカーは平均週2〜3回の出社で、テレワークとのハイブリッドが常態となっている。企業側が週5日出勤を求めているところもあるが、実際にはなかなかコロナ禍前の水準に戻らず、むしろ働く側は週1回の出社を希望しているという。

とはいえ、10月に入ってからは「リモートワークの削減、撤廃、週5日出勤」に戻る流れが強くなってきている。プログラマーの知人も「ずっとリモートワークが続くけばよい派」だったが、最近になって出勤に傾き始めた。

自宅での仕事に飽きて「やっとリモートワークから解放される」という出勤歓迎派もいる。ニューヨーク市としても出勤することで公共交通機関を使い、ランチを食べて、時にはディナーも摂ってもらい、市民経済を活性化させたいという意向もあるようだ。

サンクスギビング以降に流れが変わる


ニューヨーク市のガソリン価格は、1ガロン5ドルにも届きそうな7月に比べると、いったんは1ガロン3ドル台前半にまで落ち着きを見せてきていたが、ここにきて再び3ドル50セントを上回り始めている。

卵は1ダースで4ドルから6ドルとなっており、それがそのまま食品価格へ転嫁されている。うっかりランチでも食べれば15ドル(約2250円)近くになり、ラーメンを1杯食べても税金にチップも上乗せされて30ドル(約4500円)にもなり、おいそれと気軽に食べることができない。
次ページ > マンハッタンではワンルームが約30万円

文=高橋愛一郎

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事