大きな騒音からユーザーの耳を守る「適応型環境音除去」
第2世代のAirPods Proが新しく搭載する「適応型環境音除去」も試した。外部音取り込みモードをオンにしたAirPods Proを装着している時に、大音量のノイズが飛び込んできても瞬時に低減してノイズからユーザーの耳を保護する。
快速列車が真横を通過する線路脇で機能の効果を試した。外部音取り込みモードなので、騒音はそのまま聞こえてくるのだが、大きな音量のノイズが気にならない。電車が通過する時にAirPodsを耳から外すと、かなり大きな騒音をAirPods Proが和らげてくれていることがよくわかった。
適応型環境音除去をオンにすると、外部音取り込みモードの使用中に大音量のノイズが飛び込んできた時にAirPods Proがノイズを自動的に低減してくれる
適応型環境音除去を使用中も、AirPods Proで再生しているサウンドの聞こえ方は一定でブレることがない。いつもサウンドを心地よいレベルに整えてくれるのだ。設定から機能のオン・オフを選べるが、イヤホンのバッテリーに大きな影響を及ぼす機能ではないので、基本は「オンのまま」使っていい機能だ。
アプリで「探せる」便利さと課題
新しいAirPods Proは、紛失したときにイヤホン本体だけでなく充電ケースも「探す」アプリケーションからリモート探索ができる。
自宅やオフィスなど、だいたい予想できる場所でイヤホンが見当たらないときには「探す」アプリを起動してAirPods Proを選択。「サウンドを再生」すると充電ケースに内蔵するスピーカーからチャイムが鳴って場所を知らせてくれる。
ケースに内蔵されているスピーカーから鳴るチャイムを聞きながらAirPods Proを探索できる
家やオフィスを離れて、屋外でAirPods Proを紛失してしまった場合は「探す」ネットワークが頼りになる。世界中に数億台以上が普及しているとされるアップルのデバイスが、紛失モード中のデバイスがBluetooth LEを用いて発信している信号を見つけ出すと、「探す」アプリに通知が届く。
AirPods Proを「探す」アプリで探索する仕組みと使い方は、2021年の春にアップルが発売した紛失防止トラッカー「AirTag」とほぼ変わらない。ただ、AirPodsの場合はiPhoneと違って、紛失したデバイスにロックをかけることができない。そのため、見つけた人がデバイスを使えてしまう。AirPods Proにも紛失した場合に備えて遠隔ロックをかけられる機能がほしい。
AirPods Proも「探す」アプリによる遠隔検索に対応しているが、不正な利用を防止するための機能などは今後も拡充されることを期待したい
AirPodsが便利に「探せる」ようになったことで、悪意を持つ人間が不要な追跡など犯罪目的にデバイスを使えないようにするルールも検討すべきときが来ていると思う。例えば手荷物の中に、自分のものではないAirPodsが入っていた場合にユーザーが取るべき対処を記したガイドラインも必要だ。これからもAirPodsはすべてのユーザーが安全に使えるワイヤレスイヤホンとして、ソフトウェアアップデートなどによる進化を遂げてほしい。
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