今回のラインアップも強力だ。1年前のProモデルを値引きしたような仕様のiPhone 14だが、新たな画像処理のためのプロセッサであるPhotonic Engineを搭載し、見違えるようなカメラ画質を見せつけた。
また上位モデルとなるiPhone 14 Proでは、4800万画素クアッドピクセルセンサーを採用したメインカメラは、リコーが作り出した高級コンパクトデジタルカメラを手にしたときのような、何を撮っても作品になる描写力を手に入れた。
さらに意欲的だったのは、今まで隠そうとしたり、小さくしようとしてきた、カメラや顔認証のためのセンサーを格納する「ノッチ」(画面の切り欠き)を改め、画面内に穴を空けるかたちに変更し、さらにソフトウェアで通知を表示する領域へとデザインを施し、Dynamic Island(ダイナミックアイランド)と名づけた。
そもそもiPhoneは、今のシェアを維持するだけでも、自然と新モデルが売れていくトレンドにある。世界的な5Gへの移行が向こう3〜5年にわたって続いていくことが見込まれるからだ。アップルは2020年に発売した初の5GモデルiPhone 12も値下げした上、引き続き販売を続けており、顧客への選択肢を拡げている。加えて、Androidからの乗り換えの促進策も、各国で功を奏した。
いくつかの調査によれば、米国において、iPhoneのシェアが初めてAndoridスマートフォンよりも大きな勢力になったとのデータを示した。フィナンシャル・タイムズも「iPhoneのシェアが初めて発売した2007年以来最大となり、50%の大台を超えた」と報じている。
iOS 16.1に含まれる驚きの機能
iPhone 14の発売に先駆けて配信された最新のソフトウェア、iOS 16。ロック画面をカスタマイズする機能や既存モデルのカメラ画質の向上、写真から被写体を切り抜く技など、魅力的な新機能がたくさん搭載された。
しかしそれら以上に筆者にとって興味深かったのが、iOS 16.1から米国で追加される機能「Clean Energy Charging」だ。