しかし、そのように規範を認識し、それに従って行動する感受性には個人差がある。過去の研究によると神経症的傾向、ナルシシズム 、愛着不安などの人格特性は、信頼し合っている関係から人を離れさせ、不倫に走らせる傾向があるという。別の研究では、浮気は高いレベルの神経症的傾向と低いレベルの宗教性から予測できるとしている。
さらに、米国の既婚成人の約半数(正確には女性の53%、男性の44%)が婚外交渉を経験しているという調査結果もある。
浮気の規範に触れた後、別のパートナーへの関心を持つかどうかに男女差はなかったが、男性の方が現在の関係に対する忠誠度が低かったと研究者は報告している。
著者らは、不貞の誘惑にかられている人たちに向けて、以下のようなアドバイスの言葉を提示している。
1. 1対1の恋愛関係にあって、不倫が許容される環境にいるカップルには、関心を本来のパートナーに向け直すためのカウンセリングを受けることをお勧めする。カウンセリングと治療がカップルの性的欲求を高め、パートナー間の感情的つながりを強めるのに役立つことが証明されている(例:相手に特別な感情を抱かせる努力を動機づける)
2. 環境の持つ力とそれが親密な関係における意思決定に与える影響の大きさを知ることは重要である
3. 求婚者を無視する、あるいは実際よりも魅力がないかのように受け止めるといった「関係を妨げる(relationship-protective)」戦略を使うことで成功した人たちもいる
4. 自分の社会的影響を意識することも重要。コミュニティ内にいるパートナーとの絆の深い人たちと付き合うことが、自身の絆を深めるのに役立つかもしれない
社会規範と不倫の関係を探究する研究者たちのインタビュー全編はA psychologist explains why infidelity is contagious(心理学者が説明する不貞が伝染する理由)で読むことができる。
(forbes.com 原文)