AIは男女関係にも効く? アルゴリズムで恋愛、夫婦関係を制御

Getty Images

いまの恋人との関係がうまくいくのか、こじれてしまうのか、誰しも気になるところ。恋愛、そして夫婦関係のクオリティは、今後の人生を左右する大切な問題だ。前向きの関係を築いている人の多くはそうでない人よりも幸せだし、健康で生産的だ。それに、生まれてくる子どもも精神的に安定して育つ場合が多い。

恋愛の未来を予測できるか?


だが、どうすれば恋愛、夫婦関係のクオリティを予測できるのだろう? 多分野の専門家を集めた研究チームが、その答えを発見したと発表した。チームが、29の研究所の集めた1万1000組を超えるカップルに関するデータを分析したところ、自分のパートナーはふたりの関係に深い思い入れがあると考えている人ほど、関係が順調だと答える傾向にあるという結果が示された。意外にも、信頼や心の支え、情熱、セックスの頻度、愛情などよりも「思い入れ」という要素がパートナーとの関係のクオリティを大きく左右するらしい。

null
Getty Images

「思い入れ(「パートナーはいまの関係が永遠に続くことを願っている」)、感謝(「人生に彼/彼女がいてくれて、私はほんとうに恵まれている」)、性的満足(「あなたはどれほどいまのセックスライフに満足しているか?」)、パートナーの満足度(「彼/彼女はふたりの関係に幸せを感じている」、衝突(「あなたはパートナーとどのくらいの頻度で喧嘩をするか?」)が、クオリティを予測するうえで信頼できる五大要素になっている」と研究チームは言う。

これは前に行われた調査結果とおおむね一致する。その調査でも思い入れ、感謝、性的満足、パートナーの満足度、衝突の5つが、関係のクオリティを決定する重要な要素だと結論が出た。

マシンが未来を予測する?


調査にあたって、研究チームは恋愛関係が成就するか、破綻するかの決定要因になる要素をランクづけする方法を学習しているマシンを使った。その結果、恋愛関係のクオリティを予測する決め手になるのは、年齢や性別、性格、宗教といった個人的な尺度ではなく、恋人との関係をどのように思っているかという主観的印象であるのがわかった。正確に言うと、主観的印象は恋人との関係に対する満足度におよそ45パーセント反映されていたが、個人的な尺度はわずか21パーセントだった。

個人的な尺度で重要なのは、人生に対する満足度(「私の人生はこのうえなく順調だ」)、否定的な感情(「気持ちが落ち着かない」「イライラする」)、落ち込み(「希望がない」)、対人関係への不安(「周囲の人との関係に悩んでいる」)、人との関わりの忌避(「恋人とあまり深く関わりたくない」)の5つだった。
次ページ > 一見、非常に優秀なマシン。だが──

翻訳・編集=高橋知子/S.K.Y.パブリッシング/石井節子

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事