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2022.09.27 14:30

ハイブリッドワークと未対応の状態にある企業文化の微妙な関係

オフィスの人が減ってもカルチャーはなくならない(Getty Images)

一部の会社では、フルタイムで職場に戻ることに消極的な従業員と会社側とのバトルが起こっている。そんなバトルがどこで起きているかを知ると皮肉に感じる。Apple(アップル)、パーソナルとモバイル・コンピューティング革命の扇動者であるこの会社で、クパチーノ本社に戻るようにという会社の指示に従業員たちは抵抗している。歴史あるニューヨーク・タイムズ(リモートワークのトレンドを熱く語る記事を書き続けている出版社)さえも、スタッフがニューヨークのオフィスに戻ることに抵抗する事態に直面している。

こうした抵抗は、アップルやニューヨーク・タイムズといった流行に敏感なはずの企業にさえも、ハイブリッドな職場環境の柔軟さに対応できない企業文化が山ほどあることを示唆している。オフィスかリモートか、その中間はないという旧態依然の信念が今も残っている。

従業員と雇用者双方のニーズを満たす鍵は、ハイブリッドワーク戦略にある。そこで職場は大学キャンパスのように機能し、仕事は今まで通り期限までに完了しなければならないが、環境は従業員自身が選ぶ。「キャンパス」の役割は人々が出会い、学び、交流することだ。

「仕事は結果であって、時間や場所ではないと私たちは信じています」と、Dell Technologies(デル・テクノロジーズ)の最高人事責任者、ジェン・サーベドラが最近の投稿に書き「『カルチャーは維持できない』ことはハイブリッドモデルに関して広く信じられている神話」として自身の考えを述べている。

ビジネスリーダーと経営者の課題は、あらゆる職場環境を通じて関与と包括性を育むための新しいタイプのスキルとアプローチを開発すること、そして、従業員たちが自分の目の前にいる必要はないと理解することだ。「この種の帰属感は、私たちが対面のやり取りから離れ、ビデオ通話と画面越しの活動でつながるようになったことで、課題をつきつけられています」と、ManpowerGroup(マンパワーグループ)の最高イノベーション責任者、トマス・チャモロ=プレムジッチとSpotify(スポティファイ)の戦略事業グローバル責任者のカタリナ・バーグが、Harvard Business Review(ハーバード・ビジネス・レビュー)に書いた。

サーベドラは、デルはハイブリッドワークに関しては比較的長い歴史があり、最近の新型コロナウイルス危機のような状況にも迅速に対応できたと語る。「私たちは、柔軟な働き方とリモート・ワークを12年以上実施してきて、ハイブリッドとリモートワークのやり方、効果的な方法を十分に理解していたのでパンデミックを乗り切ることができました。当社のフレキシブルな職場環境は、私たちが前向きで健全な組織カルチャーの醸成に成功していることを示しています」

ハイブリッドワークはデルの企業文化に深く根づいていて、10年以上続いているとサーベドラはいう。「私たちのチームメンバーは、個人と仕事のニーズに最も適したワークスタイルを選ぶことができます。1つのアプローチがあらゆる職種やチームや個人でうまくいくとは考えていません」と彼女は説明する。「どの方向についても、広く強制する余地はありません」
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翻訳=高橋信夫

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