カルチャーは「オフィスが少々空いていても、なくなることも進化が止まることもありません」とチャモロ=プレムジッチとバーグはいう。「しかし、私たちが慣れているカルチャー体験の定義がより曖昧に、より捉えにくく、より主観的に変わるにつれ、組織が人々とつながり、均質なカルチャー体験を通じてつながることはいっそう難しくなります」
つながりは重要だが、そこには人より目立つ従業員がキャリア形成で優位を勝ち取るリスクはないのだろうか? デルは、リモート・ワークとオンサイト両方の経験に基づき、ほとんどの従業員が功績を認められ、キャリアアップするために必要な認知度を得ていることがわかった。「最近チームメンバーに行った調査によると、メンバーの90%が、新しいスキルを学ぶ機会は全員にあり、会社には学習を可能にするカルチャーがあると感じていると答えました」とサーベドラは言った。「 この傾向は、リモート、ハイブリッド、完全出社型の間で一貫しています」
さらにデルでは「リモート、ハイブリッド、出社組の間に、昇進の早さ、実績、愛着心などに有意な差がないことがわかりました」と彼女は付け加えた。「この結果は、実績ある当社のカルチャーと、当社が提供している幅広いオンデマンド・バーチャル学習ソリューションが、その人がどこで働くかによらず、社員の目標達成を支援できているためだと私たちは考えています」
チャモロ=プレムジッチとバーグは、企業文化をハイブリッド職場環境のニーズに合わせるための提言をいくつか挙げた。
在宅勤務を続ける人にも、仕事の社会的要素を維持させる。「仕事は単なる生産性のための道具ではなく、人との意味のあるつながりを作る機会でもあり、それは人生全体の体験を向上するものです。これは多くの人がオフィスを懐かしむ主な理由でもあります。仕事をもっと人間らしくする失われた魔法を少しでも取り返したいのです」
根強いカルチャーと、効果的で多様性・包括性・相互信頼に基づく慣習とのバランスをとる。「スポティファイでは多様性を、パーティーに招待された状態と定義しています。包括性はダンスに誘われること、相互信頼はあなたの好きな曲を流してもらうことです」同社は説明する。「簡単そうですか? そうかもしれません、しかしさまざまな個性の人たちと踊りたい、みんなのそれぞれの好みに答えたいと思うと、あなたは誰にも自分のクラブにきてもらえないリスクを抱えることになります」
カルチャーを進化に任せる勇気を持つ。未来を予言することは困難だが、ハイブリッドワークがその一部になることは間違いない。「おそらくオフィスは、協調、創造、革新のための役割が主になり、対面での出会いを奨励し、同僚と顔を合わせ最小限必要な身体的接触を得るきっかけの場になるでしょう」とチャモロ=プレムジッチとバーグは言った。
(forbes.com 原文)