経済・社会

2022.09.17 11:00

現代に息づく「信長のおもてなし」 岐阜のSDGsは何がすごいのか



河原町の街並み

川原町は、1897年(明治30年)に十六銀行(地方銀行)が最初の支店「富茂登出張所」を出店した場所でもある。旧「富茂登出張所」の建物は、江戸後期に建てられた木造2階建ての歴史ある建築物で、今も残っている。2017年に岐阜市の「景観重要建造物」に指定された。

ここでは、十六銀行が本業関連で岐阜市の政策と連携しており、まちづくりに必須の関係者連携でSDGs 目標17パートナーシップが発揮されていると理解できる。

SDGs未来都市制度の特色は、政策課題に「点」でアプローチするのではなく、線で結んだり、面で政策を打っていくきっかけになったりすることである。また、世界の共通言語である SDGs を使うことにより、内外への発進性が高まる点も特徴だ。

SDGsは共感を呼ぶツールでもあり、まちのプランディングにもなる。人々が住んで「いいな」、訪れて「いいな」と思う気持ちは重要で、それはシビックプライドやwell-being(より良き幸せ)につながっていくのだ。

「SDGs未来都市」の発展


「⾃治体SDGs推進評価・調査検討会」によるSDGs未来都市の総評では、過去から何度も応募を続けて今回やっと選定された自治体が多くあったことも、今年度の特徴だという。

選定には至らずとも提案を継続・改善することは、確実に自治体の政策形成に好影響を与えるだろう。選定に漏れたことも世に公開される「ガラス張り」の制度なので、緊張感があると思う。

総評では、次の通り締めくくっている。

「次年度は当施策も6年目を迎える。地域の抱える課題は多種多様であり、外部環境の変化や地域の実情を踏まえた効果的な取組の推進がより一層重要となっている。SDGsの理念を踏まえ持続可能なまちづくりを行っているか否か、地域の実力が改めて問われる時代を迎えている」

筆者もこの制度が、岐阜市のように日本全国の地方創生の実現に刺激を与えていくことを期待している。

文=笹谷秀光

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