“より良い体験”に寄り添うということ
後述するが内蔵カメラについても同様のことが言える。iPhone 14 Proシリーズ搭載カメラには4800万画素と、従来の4倍に相当する高画素センサーを搭載。センサーサイズそのものも大きくなっているが、このセンサーはソニーが開発し2018年に発表しているものだ。
しかし重要なことは高画素センサーを採用することではなく、新開発された新しいカラーフィルター配列のセンサーから、可能な限り素晴らしい写真を得ることにある。アップルはiPhone 14 Proシリーズに搭載したA16 Bionicというチップに新しいイメージ処理回路を搭載。さらにカメラアプリのユーザーインターフェイスや機能と組み合わせることでカメラの高画質化を達成している。
そろそろスマートフォン内蔵カメラの改良も限界が見え始めているかと思いきや、さまざまな角度から改良を加えることで、キーデバイスの変更を最終的なユーザー体験向上へと繋げている。
これらの例は一部でしかないが、スペックの向上や新しい部品、新しい生産技術などをツールとして用いながらも、最終的な製品価値に落とし込む部分にこだわる。そんな体験に寄り添う姿勢が、実際に製品を使うユーザーの満足度を高め、結果的にブランド力作り上げている。