経済・社会

2022.09.11 09:30

若者の声を、グローバル課題への取り組みに

鈴木 奈央
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1. 包摂的な政治代表制度を作る


世界的に見ても、35歳未満の人が正式な政治的地位に就くのは稀なことです。国連開発計画(United Nations Development Programme)によると、世界の国会議員の平均年齢は53歳。多くの国では、国会議員への立候補資格は25歳です。

そのような中でも、若者による公的なリーダーシップに関して、世界各地で心強い事例があります。例えばアラブ首長国連邦の閣僚の平均年齢は34歳。また、サウジアラビアでは先月、30代半ばのShihana Alazzaz(シハナ・アラザーズ)氏が初の女性閣僚会議事務次長として任命されました。フィンランドのサンナ・マリン首相は36歳。アイスランドのギルバドッティル外務大臣は34歳です。

各国政府は、若者が意思決定プロセスに関わる機会を持てるような、応答性の高い公共政策の策定を目指すだけでは不十分です。政治参加と市民参加を可能にする環境を整え、若者がアカウンタビリティを果たすステークホルダーとなり、変革のプラットフォームとしての公的機関に対する若者の信頼を回復できるようにしなければなりません。

また、包摂的な政治参加は、増大する社会的暴力に対抗することができます。例えば私の故郷、ヨルダン川西岸地区南部にあるヘブロン市では、ここ数年の間に地域紛争で銃が使われるケースが増えています。これには政治的な解釈もありますが、他にも理由があります。

その一つは、声を聞き入れてもらうことができ、望む改革を主張し、信頼できる代表政党に発展させることができる、市民参加のための、または選挙を通じた政治参加のための信頼できるプラットフォームが存在しないことです。

2. 経済的機会への尊厳ある道筋を作る


新型コロナウイルスの感染拡大以前であっても、若者の失業は他のグループに比べて3倍も高い水準にありました。感染拡大の余波で、パンデミック前に就業していた若者の6人に1人が職を失い、40%が収入の減少を報告しています。女性や移民などの疎外された若者や、貧しく脆弱なコミュニティに属する若者にとって、ディーセント・ワークの獲得と維持はいっそう困難になっています。

グローバル経済がパンデミックの影響から徐々に脱却し、各国が世界的なインフレに対処していく中で、若者が経済的機会を得ることは、低所得国を中心により困難になるでしょう。国際金融協会(Institute of International Finance)によると、2021年に世界の債務は過去最高の3億300万ドルに達し、第二次世界大戦以降の最高水準に急増しました。

国際通貨基金(IMF)は、各国が債務返済のために教育、保健、社会的保護への支出を削減しなければならないとしています。さらに、金利の上昇により借入の負担はさらに大きくなります。若者はこの先、食料品などの重要品への支出を減らさざるを得なくなるでしょう。
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文=Mahmoud Jabari

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