対流運動と比べて恒星の回転が遅くなりすぎると、恒星ダイナモは小規模な磁場しか作れなくなる。これらの小規模な磁場が恒星風と起こす相互作用は強くないため、失われる角運動量はごくわずかとなり、磁気ブレーキは弱められる。
重要な理由
弱められた磁気ブレーキが、ケプラー宇宙望遠鏡によって古い恒星で観測されるまで、磁気ブレーキが太陽類似星の生涯を通じて続いていると天文学者たちは考えていたとメトカーフはいう。すでに私たちは、この話には新たな展開があることを知っている。私たちの太陽は、すでに「通常」から「弱められた」磁気ブレーキに変化しているからだ。
太陽はいつこの移行期に入ったのか?
他の太陽類似星の観測から得た私たちの最善の推測は、おそらく太陽は、数億年前に磁気の新たな進化のフェーズに入ったのであろう、というものだとメトカーフはいう。単なる偶然かもしれないが、これは地球の生命が海から陸へ進出した時期と概ね一致していると彼は付け加えた。
磁気ブレーキと生命の始まりの関係
弱められた磁気ブレーキは、恒星が磁場を作り維持する仕組みの抜本的変化の結果だとメトカーフはいう。その変化はさらに、周回する惑星とそこに存在するかもしれない生命に、より安定した「宇宙天気」をもたらすという。それは複雑な生命が生まれるチャンスを高め、技術文明の進歩を促進する、と彼は言った。
太陽の進化は地球の生命誕生にどう影響を与えたのか?
若き日の太陽は、地球に向けて荷電粒子と放射線を定常的に浴びせていたが、それらが十分に遮蔽されていた水中の生命にとっては大きな問題ではなかった。もし磁気ブレーキが弱くなり、地球の「宇宙天気」環境がより快適になったなら、複雑な生命が地上に定着するきっかけになったかもしれない、とメトカーフはいう。
結論としていえること
「複雑な生命や技術文明を見つけたいのなら、生涯の後半にある恒星の周りを探すべきです」とメトカーフは言った。
(forbes.com 原文)