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2022.01.01 07:00

世界最大の太陽光発電プロジェクトを支えるAtlassian創業者の野望

アトラシアン創業者のマイク・キャノン・ブルックス(Brook Mitchell/Getty Images)

200億ドル以上の資産を持つオーストラリアのアトラシアン(Atlassian)創業者のマイク・キャノン・ブルックスは、環境保護とサステナブルな社会の実現に情熱を注いでいる。スコットランドで開催された環境会議「COP26」の直前の10月下旬、ブルックスと妻のアニーは、気候変動の抑制に取り組む非営利団体に2030年までに5億豪ドル(約404億円)を寄付すると宣言した。

しかし、現在42歳のブルックスが求めているのは、単なる慈善活動ではない。寄付を宣言したのと同じ日に、彼は再生可能エネルギー関連のプロジェクトへの投資を倍増させることを発表し、自身の投資会社のGrok Venturesから新規で10億豪ドルをこの分野に出資すると発表した。

ブルックスは、ニューサウスウェールズ州で農地の買収を進めており、再生農業によって、広大な土地を緑の楽園に変えることを目指している。再生農業とは、従来の農業で排出される二酸化炭素を削減する農業で、計画の中にはコオロギを用いた代替肉の開発や、太陽光発電を用いた農場の運営などが含まれている。

法人向けソフトウェア企業のアトラシアンの創業者であるブルックスは、環境意識の高い国々が化石燃料の輸入に炭素税を課したり、化石燃料の購入を止めたりするようになると、オーストラリアの企業はサステナブルな企業にならざるを得ないと語る。これは、金額ゲースで世界最大の石炭の輸出国であるオーストラリアにとって大きな課題だ。

スコット・モリソン首相は、COP26でオーストラリアの二酸化炭素排出量を2050年までにゼロにすることに合意したが、ブルックスはツイッターで、政府の計画には明確な青写真が欠けていると指摘した。

彼の支援先の環境保護団体の一つであるBZE(Beyond Zero Emissions)の調査によると、今後20年間で、オーストラリアは、大幅な政策転換を行わない限り、一次産品の輸出収入とそれに伴う雇用の3分の1を失うことになるという。しかし、ゼロカーボンのエネルギーへの投資を強化すれば、2050年までに年間3330億豪ドルもの輸出が可能になると、BZEは試算している。

ブルックスは、鉱業界の大富豪でツイッギーの愛称で呼ばれるアンドリュー・フォレストと共同で、オーストラリアで最も日照時間が長い地域で太陽光発電事業に取り組んでいる。
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編集=上田裕資

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