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2022.01.01

世界最大の太陽光発電プロジェクトを支えるAtlassian創業者の野望

アトラシアン創業者のマイク・キャノン・ブルックス(Brook Mitchell/Getty Images)



オーストラリア・クイーンズランド州に設置されている太陽光発電所(c)5B

海底ケーブルで太陽光電力を輸出


2人は、オーストラリアを拠点に「世界最大の太陽光発電プロジェクト」に取り組むスタートアップの「サンケーブル(Sun Cable)」を支援している。同社はノーザンテリトリーの砂漠地帯にメガソーラーを建設し、全長4200kmの高圧直流海底ケーブル(HVDC)を介してシンガポールに電力を輸出する計画だ。

300億豪ドルを投じたこのプロジェクトは、最大20ギガワットの電力を生産する太陽光発電所や42ギガワット時もの電力を蓄えることができる世界最大のバッテリー、そして世界最長のHVDC海底ケーブルであるAAPowerLinkの実現を目指している。

建設は2024年に開始され、2年後にはダーウィンに800メガワットの電力を供給する。そして、2028年までに海底ケーブルを完成させてシンガポールに2ギガワットを供給する計画だ。

サンケーブルが生産する電力は、シンガポールの年間電力需要の約15%をまかなうことが期待されているが、シンガポール政府は2035年までに電力の輸入量を4ギガワットに倍増させる計画という。

シンガポール政府は、再生可能エネルギーやカーボンオフセットの取引を行う地域のハブになり、長期的には、アジア太平洋地域の再生可能エネルギーのリーダーとなることを目指している。

一方、オーストラリアでは、過去10年間で300万台以上の屋根型太陽光発電システムが設置されており、クリーン・エネルギー・カウンシルは、今年の設置台数が2020年に記録した36万9000台を上回ると予想している。オーストラリアは、他のどの国よりも屋上の太陽光発電設備の設置数が多く、平均で44秒に1枚の割合でパネルが設置されているという。

時価総額がIBMを超えたアトラシアン


ブルックスが運営するGrok Venturesの出資先の一つであるフィンテック企業のBrighteは、オーストラリアの住宅にソーラーパネルを設置するための融資を行っている。同社は、屋上にソーラーパネルを設置する人々に資金を提供することで、オーストラリアの家庭の脱炭素化を加速させている。
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編集=上田裕資

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