ブルックスは、20社以上のスタートアップを支援しており、その中には代替タンパク質の開発を手がける企業や、ロボット工学など様々なものが含まれるが、彼に最大の富をもたらしたのは、2002年にニューサウスウェールズ大学を卒業後に、同級生のスコット・ファーカーと共同で設立したエンタープライズソフトウェア企業のアトラシアンだ。
2015年にニューヨーク市場に上場して以来、アトラシアンの株価は20倍以上に上昇し、四半期の売上高が6億1400万ドルに達したことを報告した直後の10月下旬には史上最高値の458ドルを記録した。
2021年に株価を50%以上も上昇させたアトラシアンの時価総額は、10月に初めて1000億ドルを超え、IBMを追い抜いた。NASAやテスラ、スペースXなどを顧客に持つアトラシアンは、上場以来、年平均35%以上のペースで増収を記録している。
「私たちは、過去20年の間、着実に成長してきたが、今後もその勢いを止めるつもりはない」と、アトラシアンの共同CEOを務めるブルックスは話す。環境分野への投資が成功すれば、彼は成功したテクノロジー分野の起業家以上の存在として語り継がれることになるのかもしれない。