顧客にはインテルやイーベイ
ハギング・フェイスは昨年、有料機能を提供し始めたばかりだが、ドランジュによると彼らはインテルやイーベイなど、1000社以上の企業を顧客としてカウントしている。
製薬大手のファイザーやロシュは企業レベルのセキュリティ機能に対価を払い、ブルームバーグは既存のインフラ上に新しい自然言語プロダクトを構築するためにハギング・フェイスを利用している。マイクロソフトは顧客ではないが、自然言語のクエリをより良く理解するためのBing検索エンジンのトレーニングにハギングフェイスを使用している。
セコイアのパートナーのパット・グレイディは、「彼らはマネタイズよりもユーザーベースの拡大を優先しているが、これは正しい判断だと思う」と述べている。実際のところ、ハギングフェイスは、自動運転車両を画像認識を訓練するコンピュータビジョンや、製薬会社が新薬治療の効果を予測するための推奨システムなど、様々な用途の機械学習モデルのハブにとなり始めている。
ドランジュによると、ハギングフェイスは損益分岐点に近く、前回の資金調達で得た4000万ドルすべてがまだ銀行に残っており、たとえ今のビジネスモデルが間違っていた場合も、方向転換が可能だという。
「起業家として私がこれまで学んだことの1つは、10年単位の大きなビジネスプランで戦略的に考えすぎず、まずは実験を行い、コミュニティを検証し、ユーザーの意見を聞くことが大事だということだ」と彼は言う。Lux Capitalのリーブズは、ハギングフェイスがいずれ、株式市場で500億ドル、1000億ドルの時価総額を誇る企業になると考えている。
「私たちは、史上初めて絵文字のティッカーで株式を公開する企業になりたい。もちろん、それを実現するためには、ナスダックにロビー活動を行う必要があるけれど」と、ドランジュは笑顔で話した。
(forbes.com 原文)