ビジネス

2022.08.23 15:00

生産性向上と監視技術は企業に「危機」ももたらす


「従業員の燃え尽き症候群を防ぎ、より高いレベルのエンゲージメントとより大きなアウトプットを維持するために、常に監視と生産性を必要としないよう境界線を設定する必要があります」と、モロゾワは推奨している。

感情的な苦痛


投資家と株式市場の教育プラットフォームであるThe Stock Dorkのオーナーであるアダム・グラシアは、メールで「生産性と監視技術の導入による最も大きなデメリット」として、精神的苦痛をあげている。

「監視は生産性を上げるどころか従業員の士気を下げるかもしれません。従業員はあなたが自分たちを信頼していないと思い、疑いがあれば離職率が上がります。この問題を避けるには、監視ソフトが使われていること、それが通常の職場の方針であることを事前に従業員に知らせることです。そうすれば、従業員は会社全体のプロセスを理解し、自分が特別視されていないことを理解します」とアドバイスしている。

強力な管理者の必要性


「管理できないマネージャーがいる場合に、企業は従業員の画面追跡ツールが必要になります」と、技術評価プラットフォームCoderPadのCEOであるアマンダ・リチャードソンは述べる。

彼女はメールで「トラッキングソフトウェアの使用に頼るということは、通常、マネージャーが以下の問題を持っていることを意味しています」と続けた。

・信頼関係を築き、指示を出し、適切なアウトプットを理解する方法を知らない

・(スクリーンに向かっている時間などの入力に注目し)成果やビジネスインパクトを目標に設定していない

・自分のチームの仕事とその価値を理解していない。例えば、メールを書くことは時間の使い方としては不適切で、考える時間の方がはるかに価値がある。実際、良い解決策やユニークな解決策を1時間考えて2行のメールを作成する方が、何もいわない20行のメールよりはるかに良い

・従業員の仕事の内容をよく把握していないため、非現実的な期待や不明確な期待を持っている

「私からのアドバイスですか? トラッキングソフトにかけるお金を、優秀なマネージャーのトレーニングや解雇、交代に使ってください」と、彼女は述べた。

forbes.com 原文

翻訳=上西 雄太

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