6. サーキュラーエコノミーに組み込まれるバイオ資源
サーキュラーエコノミーへの移行には、まず製品設計の段階で、1. 脱物質化 2. 既存の素材・成分でエコ製品設計(耐久性、分解性、修理可能性、リサイクルなど) 3. バイオ化などの手段の活用が考えられる。そのうち、今回は3の取り組みに該当するが、次の3点が重要であることが合わせて確認できた。
1. デジタル化や機械化による森林資源の持続可能で効率的な利活用
2. 木材から最大価値を抽出するカスケード利用
3. 素材のバイオ化とともに製品のサーキュラー化
上記のとおり産官学挙げて取り組んできた結果が、世界の持続可能な製品市場の拡大の流れとも相まって、フィンランドの同分野の存在感を高めている。日本はこれらからどんなことが学べるだろうか。
フィンランドの変遷や経済、地理的状況、生態系などにおいて日本とは状況が異なる部分もあるが、木材のマテリアル利用を推し進める日本が参考にできることは多い。ハカラさんによると日本企業によるフィンランド企業への照会希望は増えており、ビジネスフィンランドとしてもこれからもより一層の事業マッチングの機会を創出していくそうだ。両国のサーキュラーエコノミーの発展のため、さらなる協業が実施されていくことを期待したい。
【参考】
・Finland Circular Economy Roadmap 2016-2025
・世界銀行 Forest area
・Woodly社公式ウェブサイト
・Woodly 社環境への配慮
・Pulp mills’ energy self-sufficiency of more than 100% enables a fossil-free future
・Sulapac社公式ウェブサイト
・Seven Ways to Reuse Sulapac Containers(Sulapac社)
・Paptic社公式ウェブサイト
・Verkkokauppa.com chose Paptic material to reduce plastic in packaging(Paptic社公式ウェブサイト)
・新素材PAPTIC(パプティック) ROSE GALLERY「母の日」のバラの花束の包装に採用(伊藤忠商事)
※この記事は、2022年8月にリリースされたCircular Economy Hubからの転載です。