経済・社会

2022.08.22 16:30

フィンランドに学ぶ サーキュラーエコノミー最前線


2. フィンランドのバイオマテリアルスタートアップ、3事例


上記を背景として、持続可能な形でバイオマテリアルを開発・製造するスタートアップが昨今多く誕生している。ハカラさんからご紹介いただいた注目スタートアップのうち、今回は3つをご紹介したい。
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Woodly



(出典:Woodly公式ウェブサイト

まずは上の写真をご覧いただきたい。このプラスチック容器包装の素材はプラスチックだと思う方が多いかもしれない。しかし、認証された針葉樹由来のセルロースを主成分としている。つまり木からできている。

Woodlyは、社会に浸透している利便性のあるプラスチックすべてを置き換えるというよりも、プラスチックを「再設計」し素材自体を変えてしまおうという発想のもとに、セルロース由来のバイオプラスチックを製造する。なお、このプラスチックはカーボンニュートラルでリサイクルも可能であると公表している
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Sulapac



(写真:Sulapac 公式ウェブサイト

化粧品容器に使い捨てプラスチックが多いことに気づき、何ができるのかを考え行動に移したSuvi Haimi 博士とLaura Tirkkonen-Rajasalo 博士。100%木材由来で副産物からできる素材は、既存の工場・ラインで製造可能だ。

リップバームなどの化粧品容器に利用され、シャネルのサステナビリティを軸にしたライン「N°1 de CHANEL.」における一部の製品の容器にも採用されている。

Paptic


(出典:Paptic社プレスリリース

先述の木材のマテリアル利用の流れで誕生したスタートアップ。この「紙のような」素材は100%木材からできているが、伸縮性やヒートシール性(接着剤を使わずに、熱でフィルム同士を接着させる性質)といった機能性を持つ。こちらもパルプが活用され、リユース・リサイクル可能。伊藤忠商事も日本における戦略的市場パートナーとして展開を進めている。

日本では2021年の母の日に、ROSE GALLERYによる期間限定イベントで、Papticが花束の包装に採用された
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文=那須清和

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