ブルーミーは、全国の提携花屋、市場や生産者と協力し、売れ残りなどのロス(廃棄)を減らし、新たな花需要の創出とともに「サステナブルな花消費」を拡大する仕組みを構築。現在、全国10万世帯以上が利用し、累計配送本数は1500万本以上にのぼる。日本最大級の「花のサブスク」だ。デロイトトーマツ グループが発表した「2021年 日本テクノロジー Fast50」において過去3決算期の売上高に基づく成長率ランキングで7位の企業でもある。
ブルーミーを運営するユーザーライクは2022年6月、「日本スタートアップ大賞2022」で農林水産大臣賞も受賞した。花業界全体と連携したSDGsの取り組みが評価された。ユーザーライク代表取締役・武井亮太に好調の要因を聞いた。
──急成長の秘訣は何か。
ブルーミーは、6年目を迎えた。従来の花のECサイトとの違いは、母の日などに代表される「ギフト用」が主流だった購買構造を、すべて「自分用」に、かつ、サブスクリプションという形式で、購入しやすくしたという点だ。週替わりで季節の花をポストに届けている。現在、全国10万世帯以上が利用し、累計配送本数は1500万本以上にのぼる。
過去5年間のサービス運営、ならびに、流通規模が増えるなかで、市場や生産者、花屋をはじめ、ステークホルダーと関係構築ができたことも大きい。花の生産から販売まで、いわゆる流通の上流から下流までの関係者と共創可能な関係性を築けたことで、「規格外の花」提供をはじめ、業界全体への持続的な貢献ができる仕組みづくりができている点が急成長の要因にあげられる。
──それが業界と連携したサステナブルな仕組み構築につながった。
転機となったのが、コロナ禍だ。新型コロナウイルスが猛威をふるい始めた20年3月は、通常時は卒業式や入学式、入社式など花屋の繁忙期にあたる。これらイベントがすべてなくなることで、花屋が仕入れた花をどうするか、という問題が業界にダメージを与えた。僕らは、自分用の年間通したサービスのため、直接的な影響は少なかった。
ただ、僕らは全国200店舗の加盟店と自社拠点から花を届けている。花屋と協業する形でサービスを運営していることもあり、「何かできないか」という問題意識があった。
そこで、花屋が仕入れた花を、僕らが適正価格で購入し、一般消費者に無料で配布するキャンペーンを行った。花をロス(廃棄)せずにすんだことで、花屋、生産者、市場から「本当によかった」という喜びの声をいただいた。こうした経緯が、廃棄を少なくするために現場発の仕組みが何かできないか、と改めて考えることの発端となった。