「アップルは、教育者にも最大限のインスピレーションを提供したいと考えています。そして私たち自身も、彼らからインスピレーションを得たいと考えています。そのため特設ページを用意しました。プログラミング教育は必要なことですが、現場への導入ハードルが高いのも確か。もし私が理科や社会の教師で、プログラミングの授業をしなさいといわれたらナーバスになるでしょう。今後すべての学校にプログラミング学習が導入されるには時間がかかると理解しています。だからこそ、いろいろな教育者の考え方や気持ち、心配事を認識し、把握しようと心がけているのです」
アップルは将来の学び方について、4本の柱を立てているという。
「1つはクリエイティビティ、創造性。2つ目はコラボレーション。複雑な問題解決のため、アイデアを出し合うこと。3つ目はパーソナル。自分に合った学びを実現すること。4つ目はコネクテッド。コロナ禍のオンライン学習だけでなく、他国の人々と繋がり学ぶことも含まれてます。これら4本の柱が、子どもたちのスキル獲得に必要だと考えています」
GIGAスクール構想で使われることが多いiPadについて聞いてみると「iPadは学習ツールとして優秀で、非常に親しみやすく使いやすい。カメラや録画機能があれば、外に出て記録をとり、プレゼンテーションを作成できる。コーディングプログラミングなら、Swift Playgroundsという無料アプリが使えます。非常にクリエイティブで便利なデバイスです。動画や音楽だけでなく、ベーシックな教育課程の科目で幅広く活用できます」とプレスコット氏はいう。
「iPadは初心者でも使いやすいデバイスですが、高度な技術を持っている人にも使いやすいものです。『テクノロジーとは自転車と同じだ』というかつてスティーブ・ジョブスの言葉のとおり、子どもたちはiPadでもっと速く、遠くへ行けるかもしれない可能性があるのです」
アップルの副社長で教育担当でもあるスーザン・プレスコット氏
OECDが進めるProgramme for International Student Assessment(PISA)という国際的な学習到達度に関する調査があるが、プレスコット氏はGIGAスクール構想により日本のPISAの結果がどう変化するか注目しているという。21世紀を生きていくためのスキルの習得がどのように変わっていくか、私たちも注目していくべきだろう。