No.4「やはりアメリカはV8がお好き」
やはり、アメリカ人はV8が好きなようだ。レクサスのラインアップの中で、いやここ10年間出た全ての日本のスポーツカーの中で、一番格好いいクーペは間違いなくV8搭載のレクサスLC500。
そのシャープでエッジィなルックスはもちろん、471hpのV8の渋いエキゾースト・サウンドは誉められるのも当然だろう。1人のアメリカ人ライターが「まるで、長年どこも故障しないメルセデスベンツのクーペみたいなものだね」と辛口コメントを飛ばした。アウディ、BMW、フォード、シボレーなどの高級なクーペと比較しても、LC500の品質、信頼性、高級感、そして走りが上に立つ。
No.3「欧州勢に影響を与えた1台」
いうまでもなく、第3位としてランクインされるのは世界一売れたオープン・スポーツカーのマツダ・ロードスター。1989年に誕生したけど、すぐに世界の大ヒットになり、多くのライバル車の製造に火をつけた。
だって、ロードスターがなかったら、BMW Z4、アウディTT、メルセデスベンツSLK、そしてポルシェ・ボクスターは現れなかっただろう。ロードスターは欧米で多くの賞を受賞しているおかげで、33年間で100万台以上売れた。僕は何十回も乗っているけど、いつ乗っても、体と一体化したライトウェイトな走りはたまらない。思わず微笑みが溢れる名車だ。
No.2「伝説の復活を望む」
第2位には、三菱ランサー・エボリューションが入る。世界ラリー選手権への参戦のために90年代前半に登場したラン・エボの驚異的なハンドリングと加速感は、欧米のエンスーを圧倒した。面白いことに、ちょうど同じ時期に、ほぼ同様の性能を持った最大ライバルのスバルWRXも登場したけど、どの海外の媒体がいつテストしても、大体ランエボがトップに立った。
やはり、この手の車両になると、エンスーは乗り心地よりも、パワー感、そして限界でのコーナリング性能を重視するので、WRXよりランエボの方が高く評価された。世界一有名な自動車評論家のジェレミー・クラークソンが「多くのスーパーカーと比較したけど、平気でドリフトしながら150km/hでコーナリングができるランエボは、どのライバルよりもよりも凄い! とんでもないヤツ」とベタ褒め。
No.1「映画で再燃した圧倒的存在感」
そして、ダントツNO.1は、ホンダの50周年を祝うために作られたS2000。そのスポーティなルックス、9,000回転まで元気よく回る250hpの2.0Lの4気筒エンジン、そして、全世界のエンスーが絶賛した6速M/Tは次第に伝説になった。このM/Tのショート・スローとカチッと入る確実なメカニズムは、どのカーメーカーも羨ましがっていた。
2009年に生産中止になったにも関わらず、S2000は数台大ヒット映画「ワイルドスピード」に登場して話題になった。1999年に登場した当初、$32,000だったけど、この後輪駆動のスポーツカーのライバルは、1万ドル高いポルシェ・ボクスターだった。S2000をカムバックさせるとの噂は何度も立っているけど、いまだに確実な情報はない。もし、再び作るのであれば、他のカーメーカーがやっているように、どこかのメーカーとコラボせざるを得ないだろう。
これだけの日本車が欧米のライバルたちを圧倒してきているけど、最新登場した日産Z、トヨタGR86やスバルBRZ、そして次世代のマツダ・ロードスター、それにトヨタ・GRスープラ、GRヤリス、GRカローラなどがこれからも海外のスポーツカーを刺激していくだろう。
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