優秀な人材を招くには長期的なボランティア活動がオススメ

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ペパーダイン大学グラツィアディオ・ビジネススクールのCristina Gibson(クリスティーナ・ギブソン)教授は、Academy of Management誌に発表した新しい研究で、企業とコミュニティの共同開発と名付けた、異なるタイプのボランティアプログラムについて調査を行った。このプログラムでは、社員が6週間から3ヵ月間、危機的な地域に住み、働くという出向(社員が所属する組織から派遣される兼務)を伴う。ギブソンは、3年間にわたりさまざまな企業やコミュニティを対象に行った調査の中で、焦点がプロセスに当たっていたため、そこに強力なパートナーシップが構築され、心理的・社会的な深い変化が起こったことを発見した。

ギブソンは、観察とインタビューを通じて、社員とコミュニティの両方にとって素晴らしい結果をもたらすことを発見したのだ。「このようなボランティアプログラムは、支援先の地域社会にも大きな影響を与える。コミュニティメンバーは、尊厳や自己決定、専門的なスキルを身につけることができたのだ」と観察している。あるコミュニティのリーダーは、「私たちの究極の目標は、人々が価値ある人生を選択する能力を持つようにすることです」と語っている。雇用の機会やコミュニティへの長期的な利益も実現し始めています。パートナーシップにより、コミュニティはビジネスと関わることができるようになりました。私たちが胸を張って前進することで、キャパシティも大きくなっています」と語っている。

そして、ボランティア参加者は、この体験は人生を変えるものであり、考え方や視点を変え、個人的な成長や地域社会の課題に対する理解をはるかに深める結果になったと報告している。

このような経験を支援する企業もまた、恩恵を得ている。ボランティア参加者は、企業に対する態度や仕事の成果に長期的な変化をもたらしたと報告しているのだ。さらに、72%の企業が従業員の忠誠心を高め、72%が従業員のパフォーマンスを向上させ、59%が顧客エンゲージメントを高めたと報告している。すべての企業が評判の向上に繋がり、多くの企業が生産性の向上に繋がったと報告している。

このようなプログラムに参加することで、社員は学び、成長し、組織の真の代弁者になることができるのだ。あなたが組織に持ち帰るものは、かけがえのないものだ。ある参加者は、「出向はとても強力でした。『まさにこれだ!』という感覚でした。自分がどこにいるのか、何が足りないのか、よく考えることができました。この組み合わせは、私の人生で最も強力な自己啓発の体験となりました」と語っている。

では、どうすれば参加できるのか?ぜひ人事部やCSR担当者に、自分の会社でこのようなプログラムがあるかどうか相談してみてほしい。もしないようなら、自分がその提案者になろう。CAREや赤十字などの非営利団体が、支援を必要とするコミュニティと会社の関係を仲介してくれることもある。

有意義な人生を送るとはどういうことかをあらゆる側面から考え直そうとしている労働者にとって、表面的なボランティア活動を集中的かつ長期的な奉仕活動に置き換えることは、あなたの会社で働くことがいかに特別かを周りにアピールし、自分の価値観とキャリアが同じ充実した道のりにあることを確認するための確実な方法だ。

翻訳=Akihito Mizukoshi

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