英文履歴書や面接、バックグラウンドチェックなど、それぞれの採用プロセスに対策はありますが、私の経験上、海外企業への就職でもっとも重要なのは「ネットワーキング」です。
そこで今回は、なぜ海外でネットワーキングが機能するのか、どのようにネットワーキングを構築するかについて、実体験をもとにご紹介します。
ネットワーキングは「スキル」
国内外問わず、人気企業の求人には応募が殺到します。この場合、採用担当者が応募書類に目を通す時間は1人あたり数秒とも言われ、どれほど優秀な人材であっても書類選考より先のステップに進めないというのはよくある話です。
ネットワーキングとは、人と人との繋がりのこと。希望するポジションに自分を推薦してくれる人をもつことで、面接過程に進む確率はグッと上がります。
日本では「コネ入社」や「縁故採用」など、紹介による入社にはネガティブな印象をもつ人もいるでしょう。しかし、海外におけるネットワーキングの活用はポジティブに浸透しています。それは、ネットワーキングが個人と個人の信頼関係をベースに成り立っていること、信用にも直結するためリファーラル(推薦)を出す側も吟味していること、そして面接から先の採用ステップはあくまで本人の実力により判断されるため、です。
私自身、アメリカで就職活動をしていた当初は、ネイティブの友人に英文レジュメを添削してもらうなどして書類のブラッシュアップに膨大な時間を費やしたにもかかわらず何度も書類選考で落とされ、その企業で働く社員からのリファーラルを得た途端、電話面接に呼ばれたという経験があります。
リファーラルを得るためにはある程度の戦略性や行動力が必要なため、採用担当者にとってはそれらをはかる一助となるでしょう。また、リファーラルを得るために行動していること自体が、その仕事に対する熱意の証にもなります。
反対に、世界中の人と繋がる手段が数多くあるにもかかわらず、リファーラルを一つも得られないということは、意欲や能力がないと受け止められても仕方ありません。
アメリカでは、ネットワーキングも重要なスキルの一つなのです。
ネットワーキングの構築方法
海外就職にネットワーキングは不可欠だと言っても、異国の地に人脈などないという方も多いでしょう。
そこで、私が実践したネットワーキングの構築方法を3つ紹介します。
1. 業界のイベントやセミナーに参加する
企業のリクルーティングイベントや展示会、学会、セミナー、業界の集まりなどで構築する方法です。このようなイベントには参加者同士の交流の場が設けられているので、その場を活用します。
知らない人に話しかけるのには勇気が必要ですが、まずは単身や少人数で参加している人から話しかけると良いでしょう。いきなりビジネスの話をするのではなく、small talkから始めて共通の話題を探し、その後、「実は、こういうことをしたいと思っている」などと切り出します。
私もサマーインターンシップを探しているときには、地元スタートアップの社長などが集まるワインイベントに参加していました。
こういう場には、だいたいどこにでもハブになっている世話好きの方がいるものです。いろいろなグループへ紹介してくれるので、キーパーソンを特定して仲良くなると良いでしょう。