よくある勘違い。いい姿勢を意識して、胸を張るのはNG
この自宅でも簡単にできる「4つのストレッチ」に加え、日常生活の中でも気をつけるべきこと、できることがあるそうだ。
──いい姿勢を心掛けるときに注意することはありますか?
子どもの頃に、親御さんから胸を張りなさいと姿勢について注意された経験がある方がいらっしゃるかと思います。
しかし、これは間違いで「胸を張る」は意識してはいけないことです。胸を張るとパッと見、姿勢が良くなったように見えるのですが、硬くなってしまっている胸は動かず、腰を反っているだけで、かえって反り腰を助長することになります。
反り腰はお腹の安定性を失う原因となり、猫背を引き起こすきっかけにもなりますから「胸を張る」は忘れてください。
──では、正しい姿勢はどのようにして作ればいいでしょうか?
姿勢は日頃の体の使い方や習慣の結果ですので、意識だけで正しい姿勢を作るのは正直難しいです。今回ご紹介したエクササイズなどをすることで、自然と体が変わることが理想です。
椅子に座る際には、深く腰掛け、胸を張るのではなく、頭のてっぺんを糸で引っ張られているような状態をイメージすることがおすすめです。その時、顎があがらないように注意してください。
また、簡単な意識としては、口呼吸の方は鼻呼吸になるように改善することです。口呼吸の方は、顎が後退することで気道が狭くなるので、呼吸がしづらくなり、気道を広げようと顔を前に出すということを無意識にしてしまうので、猫背に大きく影響します。
自分が口呼吸か鼻呼吸かわからない場合は、舌の位置がどこにあるかでチェックできます。舌は本来口を閉じた状態では、上顎の前歯の後ろのところに当たっています。舌でタンと音を鳴らすときに置く場所ですね。ところが舌が下顎、または口の中の真ん中にあるという方は、口呼吸である可能性があります。
口呼吸は姿勢に影響するだけではなく、ウイルスが身体に入りやすくなるなど、百害あって一利なしですから、意識して鼻呼吸に切り替えるようにしたいですね。
今回、お話を伺ったメディカルフィットネス「T’s Energy」のパーソナルトレーナー、片岡秀人氏
呼吸が姿勢に関係しているとは驚きだった。人生100年時代と言われているが、年をとったからと言って、途中で体を新しくすることはできない。
片岡氏は「体は替えのきかないものだからこそ、日頃のメンテナンスが大事」と、セルフコンディショニングの習慣化の重要性を語ってくれた。コロナ禍で健康の重要性が再認識されている今こそ、しっかりと自分の体に向き合って、健康で美しい体づくりを始めたい。