ラグビー・五郎丸流、大変でも「めちゃくちゃ楽しい」大学院生活

静岡ブルーレヴズ CRO 五郎丸歩

14年ぶりに母校のキャンパスへ戻りました。静岡ブルーレヴズのCRO(クラブ・リレーションズ・オフィサー)を続けながら、早稲田大学大学院スポーツ科学研究科に入学し、4月から社会人学生として学んでいます。

カリキュラムも社会人を想定したもので、6・7限2コマが続きで、午後6時15分から9時半までの授業です。4月と5月には週5日、10コマの授業を受けました。学部だと1単位14コマくらいですが、大学院は2時間ずつの授業で、2カ月で終わります。「いつ見ても良い」というオンデマンドの授業もありますが、これまで一番多い時で週4回、通学しました。

印象深かった授業は「MBAエッセンシャル」です。ケーススタディがメインで、スターバックスの上場とか、コカ・コーラとペプシの戦いだとか、実際にあった事例を元に学んでいます。MBA(経営学修士)を取るためのコースとは異なり、本来2年かけて学ぶ内容が1年に濃縮されたコースなのですが、すごく面白いのです。

特に面白かったのが「ユニクロとしまむら」の比較です。ユニクロは広告を色々な媒体でかなり打っているのですが、しまむらはTVCMを全く出していません。陳列の手間を減らすためにハンガーに掛かった状態で納品するといったオペレーションもユニーク。このような話から、それぞれの売上、利益率の高さの理由が見えてきます。

スポーツ政策を立案・提案する側に


スポーツビジネスに関係のある授業で言うと、「スポーツ政策論」は学ぶ部分が多かったです。「地域や行政とはどうすればうまく関係を構築できるか」「支援していただくためにはどのようなアプローチがあるか」などの内容を、週替りで来る講師の方に、色々な角度から話してもらっています。

スポーツ業界はスポーツ庁の立てた戦略、方針を元に動いています。スタジアムやアリーナ建設もそうですが、しっかりと政策を立案・提案する側の人間にならないと、そもそもスポーツを動かすことは難しい。提案をするにしても、背景やどう予算を取るか?といったプロセスを理解して、物事を進める必要があります。
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写真=BLUEREVS LTD. 編集=宇藤智子

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