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2022.07.27 09:00

ゴールドマン支援の物流テックSlync.ioのCEOが「職務停止処分」に

Getty Images

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ゴールドマン・サックスが支援する企業のCEOが、従業員に給与を払わない一方で、自身は贅沢なライフスタイルを満喫していると報じられた後、停職処分を受けたことが明らかになった。

物流会社にソフトウェアを販売するテクノロジー系のスタートアップ「Slync.io」の社員らは7月25日の社内会議で、CEOのクリス・カーチナー(Chris Kirchner)が職務を停止されたことを伝えられた。複数の従業員によると、従業員にメッセージを伝えた幹部のTim Kehoeが臨時のプレジデントに就任することが決まったという。

SlyncのバイスプレジデントのBurt Whiteはフォーブスの取材に、「まだ在籍している社員については言及しない」と述べ、それ以上のコメントを拒否した。

ゴールドマン・サックスの広報担当者のメアリー・アスリッジはフォーブスに対し、「追って通知があるまでの間、カーチナーはCEOとしての活動を停止する。我々は彼らの会社の取締役会のメンバーとして、また、出資元としての責任を重く受け止めている」と述べた。

アスリッジはさらに、ゴールドマン・サックスを中心とする投資家らが、給与の未払い問題を解決するために、今週中にさらなる資金を提供する予定だと述べたが、金額については明言を避けた。この問題に詳しい匿名の人物によると、未払いの額は約400万ドル程度という。

アスリッジはカーチナーが停職になった理由については回答を避けた。

今回の動きは、フォーブスが先週公開した記事を受けてのものだ。カーチナーはSlync社の取締役会に対して虚偽の説明を行ない、財務の透明性の欠如を指摘した幹部を解雇したとされる。また、記事では、これらの幹部が解雇されたとき、取締役会が何の措置もとらなかったことが指摘された。

カーチナーはベストバイで数年間勤務した後の2017年にSlyncを立ち上げ、DHLやキューネ・アンド・ナーゲルなどの物流大手との契約で初期の成功を収めた。その後、ゴールドマン・サックスとブラムバーグ・キャピタルの主導で8000万ドルを調達した同社の評価額は2億4000万ドル(約327億円)とされていた。

しかし、会社の成長が止まり、資金調達にも苦戦する中で、カーチナーはプライベートジェットや高級車、高級ゴルフクラブ「ヴァケロ」の会員権を購入するなど、個人的な活動に多額の出費を行ない、英国のサッカーチーム「ダービー・カウンティ」の買収に失敗した。

「彼が送っていたライフスタイルは信じがたいものだった」と、Slyncの元従業員は先週のフォーブスの取材に述べていた。

編集=上田裕資

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