ムチバビシが指摘するのは、世界経済フォーラム(WEF)のレポート「Upskilling for Shared Prosperity(繁栄共有のためのスキルアップ)」が、スキルアップによって2030年までに530万の新規雇用の純増につながる可能性があると報告していることだ。これは、現在失業している80%のニューロダイバーシティの人にとって大きな利益となるだろう。また、組織と技術プロバイダーとのパートナーシップは、スキルギャップの解消に大きく貢献するだろう。それはリソースへのアクセスを向上させることになる。また、デジタルデバイドに取り組み、インクルージョンを促進し、不平等を削減するための新しい機会を見つけることに役立つだろう。
技術産業を目指すニューロダイバーシティのある人へのアドバイス
ストリーダは「この分野でキャリアを積みたいと考えているニューロダイバーシティを持つ人へのアドバイスですが、まずは大学や研究機関でソフトウェアテストのコースを受講してみてはいかがでしょうか。プログラミングのコースに比べて難易度が低いと思います。そして興味と学習能力に基いてどのようにできるかの様子を見ることができます」という。「そして、ソフトウェアテストのコースを修了した後は、経験を積み、新しいスキルを身につけるために、小さな会社や組織(オープンで、自閉症の人をサポートしているところ)で居場所を見つけるようにすることをお勧めします。その後なら、自分のスキルを磨き続けられる大企業に応募することが、より安心して行えるようになるでしょう」
ムチバビシは、ニューロダイバーシティがもたらすユニークな価値を認めてくれる会社を探すことを勧めている。「そうすることで、ニューロダイバーシティを持つ人々が需要のあるスキルセットのトレーニングを受けることができるだけでなく、世界が技術的に進化し続ける中では、キャリア開発にとっても必要不可欠です」と彼女はいう。
たとえば、Dell(デル)のような多くのテクノロジー企業が、自閉症に対応した就職面接プログラムを用意しているのは、企業がそうした労働者の生産性や論理的思考から恩恵を受けることを知っているからだ。その結果、報酬の高い仕事と企業は絶えず自閉症に対応した環境を整備し続けている。そうした人たちにとってテクノロジー関連の仕事は適材適所といえる。