しかし、自閉症の人がコンピューターやコンピューター技術を使った仕事に適しているという一般的な関連は本当だ。
インドのSAP Labsで自閉症支援を行うアーシャ・ストリーダは「私もそうですが、IT業界で働く多くの自閉症の人間は、接客や対話、マルチタスクが必要ないため、この業界で働くことを好んでいると思います」と語る。「ただし、自閉症の人が惹かれる分野には、他にも金融、教育、工学、音楽、芸術などの多くの分野があります」
またUiPathの広報・社会貢献ディレクターのマルガリータ・ムチバビシは「自閉症の人は、驚くほど細部にまで気を配り、行動することができるのです。彼らは、プロセスを合理化するために大量のデータと反復タスクを扱う、AIや自動化などのテクノロジーを扱うことに優れています」という。「必然的にプロセスの例外は手作業で処理しなければなりませんが、自閉症者はそのユニークな特性を活かしてプロセスを学習し、例外に対処することができるのです」
自閉症者とテクノロジーの仕事
「ロボットといっしょに働く人間は、そうでない人間と比べて生産性が向上するということを示す研究もあります」とムチバビシはいう。「また、ニューロダイバーシティ(neurodiversity、自閉症やADHDを「病気」とは捉えず「個性」だとみなす立場から使われる言葉)のある人は、ソフトウェア関連業務において生産性が30%以上高いという研究結果もあります。これらの知見を総合すると、ルールベースやプロセスベースのシステムに依拠する技術 / ソフトウェアを自閉症の人々に使ってもらうことで、効率性の向上やアウトプットの改善を通じて、これらの人々が職場でさらに秀でることができるようになることが示唆されます」