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2022.07.17 06:30

ハイブリッドワークは地球に優しくない?


この発見は、英国全国交通調査による2005年から2019年にわたる27万人による360万件の移動データを分析することで得られた。

地球に優しくない


このデータによると、週に数回在宅勤務している人は、オフィス勤務者よりも平均4マイル(約6.4キロメートル)以上遠くに住んでいた。この数字は、週に1回または2回だけリモートで働く人では7.6マイル(約12.2キロメートル)に跳ね上がる。

後者のグループを見ると、移動回数は約15%少ないが、1回の移動距離が長いために、週当たりの移動距離は毎日通勤している人よりも11%近く長かった。これは、ほぼフルタイムで在宅勤務している人たちが、25%少ない移動回数で週当たりの移動距離が20%少ないことで相殺される。

しかし研究チームは、ハイブリッドワーカーはフルタイムリモートワークよりはるかに多いため、炭素排出量への貢献は概してマイナスになると強調する。リモートワーカーによる付加的外出を考慮すれば特にそうだ。

「総合的に、英国のリモートワーカーの大半にとって、居住地、誘発される私用外出、および同居人の外出パターンへの影響を合わせると、通勤回数の減少による貢献を打ち消すことを、私たちの研究は示している」と研究チームは結論づけた。

「私たちはリモートワークと移動パターンの間に有意な相関があることを発見したが、因果関係は明らかになっていない。リモートワーカーと非リモートワーカーの相違は、リモートワークだけでなく、両グループ間の未観察の相違に起因している可能性があるため、この問題の解明には更なる研究が必要だ」

これは重要だ。シータ・グローバル・アドバイザーズ(Theta Global Advisors)の調査によると、57%の人々が新型コロナ以降時代にハイブリッドで働きたいと思っている。もし企業が環境フットプリントをできるだけ小さくしたいと考えるなら、これは考慮すべき問題かもしれない。

翻訳=高橋信夫

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