「なし」「だけ」商品には、もうひとつ誕生の理由があります。
実は、柿の種とピーナッツの比率を7対3に変えた後、元に戻してほしいという声もありました。比率には「正解」はなく、食べるひとそれぞれにとってのベストな比率があるはずですよね。
でも、『亀田の柿の種 ピーナッツなし 6袋詰』と『亀田の柿の種 ピーナッツだけ 6袋詰』があればセルフブレンドができます。つまりこの2商品は、売り場でなく自宅でこそ実現できる「私だけの黄金バランス」の実現ができる、究極のカスタマイズ商品としての期待も担って発売されたのです。
──2020年の米菓市場は、生産金額ベースで約2740億円でした(出典:日本食糧新聞)。市場規模としてはたしかに大きいのですが、参入もまた、なかなか難しいのが事実です。
大規模な工場が必要ですし、実は米菓はとても手間のかかるお菓子で、工程も複雑です。具体的には、まずもち米をふかして、ふかしたものを今度は冷凍して固めて、時間をかけて水分を抜いて乾燥させて……。長いものでは完成まで1週間以上かかるものもあります。
季節による条件の違いも無視できません。もっとも製造が難しいといわれる梅雨の時期以外にも、毎日の天候や気温、空気中の水分などに応じて製造条件を微調整する必要があります。それを日々、数十年続けています。
それだけに、「国民的菓子」と呼ばれることがあるのはうれしいですね。
亀田の柿の種は「会話の種」にもしていただきたい。セルフブレンドで自分の黄金バランスを作るのもいいですが、自分にとっての黄金バランスを語り合いながら食べてもらったり。比率についての議論はもちろんですが、最近では「クリームチーズに挿してワインのつまみに」の食べ方がSNSなどで話題になりました。
カリッと食べながら会議後の愚痴を言い合ったり、部署横断のちょっとした交渉ごとをしたり。ビジネスパーソンの方々には、そんなコミュニケーションツールとしても使っていただければいいなと思います。