パンデミックの余韻が残るなか従業員のストレスは過去最高水準に

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ギャラップの新しいレポートには、従業員のウェルビーイングに関心を持つビジネスリーダーが無視できない、ある警鐘が記されている。2020年に過去最高を記録した、前日にストレスを「たくさん」経験したと答えた従業員の数が、2021年は44%という過去最高を記録した。

ハーバード・ビジネス・レビュー」のレポートの要約が指摘するように、この数字は深刻な組織としてのリスクを表している。「もし、リーダーが従業員のウェルビーイングに注意を払っていなければ、トップパフォーマーの燃え尽き症候群や高い退職率に見舞われる可能性が高い」という。

従業員のウェルビーイングに対する有意義なコミットメントは、高いストレス、燃え尽き症候群、退職率といったネガティブな要素に対する最も強力な解毒剤となる。4人に1人の従業員が、雇用主が自分のウェルビーイングを気にかけてくれていると強く感じている場合、重度の燃え尽き症候群を経験する確率は71%も低くなる。

米国は「活気」でも「ストレス」でも高得点


グローバル職場環境レポートでは、例年以上に国や地域の指標に大きなばらつきがあった。エンゲージメント(21%)と活気(33%)のグローバル数値は、平均して比較的安定している。しかし、オーストラリアとニュージーランドでは活気が6%上昇したのに対し、ヨーロッパでは5%低下している。

米国とカナダでは、「生き生きしている」と答えた従業員の割合(60%)が、オーストラリアとニュージーランドに次いで2番目に高かった。しかし、前日にストレスを感じたと答えた従業員の数でも、米国は高い数値を出している。50%で、東アジアに次いで2位だった。

この統計数値でもう1つ注目すべきことは、従業員がパンデミックによる継続的なストレスや心配にどのように対処しているかという点で、かなり顕著な男女差があることが明らかになったことだ。前日に大きなストレスを感じたと答えた女性は54%(男性は47%)、大きな不安を感じたと答えた女性は46%(男性は37%)だった。パンデミックは、女性のウェルビーイングと職業上の繁栄に不釣り合いな損害を与え続けている。
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翻訳=Akihito Mizukoshi

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